AIで変わる食ビジネス

食とAI製造編~人工知能導入によるフードディフェンスの未来。食品の安心・安全をいかに守るか

2017年12月13日

「それは『フードディフェンス』の問題です。フードディフェンスとは、外部もしくは内部からの故意や悪意による食品安全への攻撃に対して、企業が取るべき対策のことです」

財団法人食品産業センターが2009年に発表した「食品業界におけるフードディフェンスへの取組状況等調査」によれば、意図的な毒物等の混入や汚染についてアンケートをとったところ、食品製造業102社のうち11%にあたる12社が「受けたことがある」と回答している。また、製造のどの段階で攻撃を受けたかについては「不明」と答えた企業が7社となっている。

2013年に発覚した冷凍食品への農薬混入事件では、同社に勤務していた契約社員が、製品に農薬を混入させたとして逮捕されている。犯行の理由は、契約社員の給与改定による減額、人事評価に対する鬱積した不満だった。

「製造ラインで起こる意図しない異物混入といった事故を防ぐ『フードセーフティ』は、長年の経験則により、どこにどんなリスクや危害があるかはある程度予測できています。ところが、故意や悪意に対するフードディフェンスは、フードセーフティの対策だけでは防ぎきれない部分があります」

対策方法の中でも、例えば金属探知機やX線検査機の導入は、異物混入への対策としてフードセーフティ、フードディフェンスのどちらに対しても有効な手段となる。一方、外部からの故意による攻撃への対策では、監視カメラの設置やドアの施錠によって製造現場に侵入されないよう、予防管理するといった方法を取る必要がある。

故意による内部犯行が起きる理由

それでは、先に挙げた農薬混入事件のような内部からの攻撃に対しては、どのような対策を取ることができるのだろうか。岡本氏は内部からの攻撃がなぜ起きるかについて、次のように分析する。

「過去に起きた事件を見てみると、犯行を起こした従業員は元から悪意を持って攻撃した、いわゆる『性悪説』による犯行ではないと考えられます。むしろ、弱い立場にいたり、孤独感や疎外感を抱えていたりする中で、それに耐えられなかった人が不満のはけ口として、ガス抜き的に小さな犯行を起こす。ただ、そのガス抜きすら気づかれず、徐々にエスカレートしていく――。つまり、人として弱い部分が、製造ラインや商品への攻撃として出てしまう、『性弱説』なのではないかということです」

フードディフェンスにAIシステムを活用する方法

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jinjer勤怠のエンゲージメントアラート画面

もともとの悪意ではなく、労働環境や就労の状況に対する不満が原因にあるとして、そうした問題を抱えている従業員を見極めるのにAIの活用が期待できる。株式会社ネオキャリアの勤怠管理システム『jinjer勤怠』だ。同システムのマーケティング責任者である小口敦士さんにその特徴について伺った。

「『jinjer勤怠』は多彩な打刻申請、管理画面のスマートフォン対応などにより、管理・作業コストを軽減し、企業のパフォーマンス向上を実現する勤怠管理システムです。特徴的な機能として、『エンゲージメントアラート』機能があります。エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」のこと。毎日の出退勤時に従業員の顔写真を撮影してデータとして蓄積、さらに残業時間や出社時間のバラつきなど様々なデータを分析し、不満やストレスを抱えている場合にアラートで知らせてくれるという機能です」(ネオキャリア・小口さん)

こうしたAIを実際の現場で有効活用するには、どのような方法が考えられるだろうか。


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