ハラール食ビジネスの第一歩

外食編~イスラム教徒を呼びこむ、飲食店のハラール対応。ムスリムフレンドリーという選択も

2016年04月21日

「ムスリムの中には、肉がハラールなら皿や箸は専用のものじゃなくていいと考える人もいます。いつも使っている食器に加えて、使い捨ての紙皿や紙コップを用意しておくだけでも対応可能だと思います」

ちなみにムスリムフレンドリーのような、日本国内のみに適用される飲食店向けの認証の申請は、先述した国内にある認証機関で対応してくれる。

ハラールに対応したメニューの開発方法

メニューにピクトグラムを表示することで、ハラールに対応しているかすぐにわかる

メニューにピクトグラムを表示することで、
ハラールに対応しているかすぐにわかる

ここまで飲食店のハラールの認証取得について触れてきたが、インバウンド需要を考える場合は前回記事(食品メーカー編)でも伝えたとおり、認証に頼らず、ピクトグラム(絵文字)などを用いた情報開示のみで対応するという方法もある。豚、鳥、牛、酒などの原料が使われているかを、メニューやポスターにピクトグラムを使って表示することで、ひと目でハラールか判断できる。

ただ、ハラール対応を検討するうえでは認証の有無よりもレシピ開発が重要になってくると佐久間氏は指摘する。

「寿司、天ぷら、焼肉、しゃぶしゃぶ、ラーメン、そば……。そうした日本ならではの料理を一度は味わってみたいと思っているムスリムはたくさんいます。扱う食材や調味料をハラールで代用しつつ、いかにムスリムが好むメニューを開発できるか。その点の創意工夫が非常に重要となります」

続けて、ハラールメニューの開発方法について佐久間氏がこう話す。

「例えば、業務用の蕎麦つゆやうどんのつゆを使っている場合、アルコールが添加されている可能性があります。しかし、お店でかつおや昆布からダシをとれば、ハラールめんつゆとして提供が可能です。薄味と思うなら、ハラールのチキンからとったダシを加えてみましょう。また、カレールーには、豚由来や動物由来の調味料が入っている場合があります。そこで、カレールーを使わずに、スパイスからベジタリアンカレーを作り、そこにハラールのビーフやチキンを入れればハラールカレーになります。

つまり、ハラール対応に欠かせないのはトレーサビリティ。店のメニューの調理工程や原材料を再確認してハラールでない部分を探り、そこを見直すことでハラール対応のメニューに作り変えていくわけです」

その過程で思わぬ“副産物”が生まれたりもする。

「ハラールは宗教的な食事ではありますが、『ムスリム専用食』ではありません。ハラールは、実はオーガニック料理やベジタリアン料理に近いもので、ムスリムだけでなく、日本人にも十分にアピールできるメニューとなります。そのなかから、ヘルシーブームにも乗ってムスリムにも日本人にもヒットするハラール料理が生まれるかもしれません。感性のいい人はすでに、そうした視点でのメニュー開発を着々と進めています」

ここまで3回にわたりハラールへの対応方法を見てきた。広がりを見せるムスリム市場というビジネスチャンスを逃さないためにも、自社にふさわしい“ハラール対応”を見つけてほしい。

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