食の研究所

魚の消費が減っても市場拡大していた「骨なし魚」~高齢社会で再び注目が集まる“安全に食べられる魚”

佐藤 成美(サイエンスライター)  2017年05月01日

農林水産省も介護食品を「スマイルケア食」として枠組みを整備した。スマイルケア食は、健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品に「青」マーク、噛むことが難しい人向けの食品に「黄」マーク、飲み込むことが難しい人向けの食品に「赤」マークを表示する。

マークの運用は2016年から始まったばかりだが、スマイルマークをつけた骨なし魚も登場している。「スーパーマーケットに並ぶ骨なし魚の製品が増える中、マークによって食べやすさや栄養価値をアピールし、差別化したい」というメーカーの声もあった。

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「スマイルケア食」の色による分類と関連する制度。黄色と赤には固さの基準に応じて、数値でも区分けしている。
(農林水産省 2017年2月公表「スマイルケア食の取組について」より)

超高齢社会に向け、手間がかかろうとも・・・

骨なし魚は食べやすくていいが、こんなにも手間をかけて作っていたとは驚きだった。骨なし魚は几帳面な日本人らしい発想といえそうだ。

今後も高齢化はとどまることはなく、内閣府は「高齢社会白書」で、2060年には2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になると予測している。高齢者向け食品の市場の拡大は確実だ。だから、各メーカーとも手間がかかろうとも骨なし魚の製品に力を入れるのだろう。

一方、消費者の魚離れを食い止めるためにも骨なし魚は期待されている。ただし、骨も魚を食べる醍醐味の1つ。それに製造の手間を考えると、骨なし魚ばかりになるのはどうだろうか。

少なくとも、骨なし魚は高齢社会においては有用な食品だ。従来の骨あり魚とうまく共存できるとよいだろう。


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執筆者プロフィール

佐藤 成美(サイエンスライター) 

佐藤 成美(さとうなるみ) サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。

<記事提供:食の研究所
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