はじめての海外ビジネス

「こんなはずでは…」失敗事例から学ぶ飲食店のASEAN進出(2)~外資規制を確認する

2017年12月14日

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日本の飲食店が海外進出を検討する際、どのような流れでどのような手続きがあり、どのような点に気をつける必要があるのか。特に近年、活発な進出がみられるASEANへの進出について、独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)が作成した調査レポート「拡大するASEAN市場へのサービス業進出」を参考に、陥りがちな失敗事例とともにお伝えする。前回の「マーケット情報を知る」に引き続き、今回は最も失敗事例が多い「外資規制」について紹介する。

海外進出の流れ

①マーケット基礎情報を知る

②外食産業のマーケット情報を知る

③外資規制を確認する

④進出先・進出形態を検討する

⑤運営方法を検討する

 

③外資規制を確認する

ASEANへの飲食店進出は、外資規制が厳しいことを知っておく必要がある。下調べを十分に行わないまま進出計画を立て、現地法人設立や出店の際に、許可が下りなかったり、法令に違反してしまったりと、計画通りに進まずに失敗してしまう企業も少なくない。確認しておくべき規制項目ごとに、よくある失敗事例を紹介していこう。同じ轍を踏まないよう、参考としてほしい。

<確認すべき規制項目>
・外資参入規制
・営業許可
・出店規制
・就業者の資格所持
・フランチャイズ規制
・外国人雇用規制

■外資参入規制

<よくある失敗事例>
「独自資本で進出する予定だったが、現地資本との提携がないと進出できないことがわかり、慌てて現地パートナーを探した」

独自資本で進出する予定でいても、国によっては認められず、思い通りの経営ができない場合や、良いパートナーが見つからず計画に遅れが出てしまうこともある。

例えばシンガポールは参入にあたっての規制はなく、独自資本のみでの進出が可能だ。一方、近年関心が高いタイの場合、様々な規制によって外国企業は50%程度しか出資できない。ただし、日本は2007年に締結した日タイ経済連携協定(EPA)により、一定の条件を満たせば60%まで出資が可能だ。残り40%は現地資本が必要のため、現地ビジネスパートナーとの連携が必須となる。

なお、パートナーを見つけ、提携していく上での具体的な注意点は、第3回で紹介する。

<各国の外資参入規制>

シンガポール ブルネイ マレーシア タイ インドネシア
外資100%参入可。 外資100%参入可。ただし、パブやバーの開設は、宗教上の理由から不可。 一部の業態を除き、条件付きで100%外資参入可。外資50%超出資の場合は、監督当局の認可が必要(最低RM100万の資本金も必要)。 外資参入可。ただし、出資比率規制あり(外国人事業法に基づく資本構成に留意。日タイ経済連携協定で、60%まで出資可能も)。 外資100%参入可。ただし、外資は最低投資額100億ルピア以上(進出手続き・商慣習から、外資単独参入は極めて難しいとみられる)。
フィリピン ベトナム ラオス ミャンマー カンボジア
条件付きで外資100%参入可(ただし、払込資本金250万米ドル以上などの条件があり、事実上、外資単独は困難。例外的に100%外資のホテル内は可) 外資100%参入可。ただし、投資計画実現能力の審査にあたり、投資家の当該ビジネスの経験、財務能力等が厳しく審査される。 外資100%参入可。ただし、外資は一般事業の最低登録資本金規制(10億キープ以上)が適用される。 外資進出可否の明文規定はないが、投資企業管理局(DICA)によれば、外資100%参入は可(ただし、ビジネスライセンス取得可否も含め判断すると事実上困難)。 外資100%参入可。ただし、土地を所有するか、所有する予定である場合、外国人の総所有株式比率は49%を超えてはならない。それ以外の場合は出資比率制限は無い。

 


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