はじめての海外ビジネス

「こんなはずでは…」失敗事例から学ぶ飲食店のASEAN進出(1)~マーケット情報を知る

2017年11月29日

■可処分所得ごとの世帯構成(2015年)

ASEAN各国の世帯別の可処分所得、いわゆる手取り収入を「低所得層:5,000ドル未満」、「下位中間層:1万ドル未満」、「上位中間層:2万5,000ドル未満」、「高所得層:2万5,000ドル以上」の4段階にわけてグラフ化したものである(ブルネイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアは調査対象外)。シンガポールは8割を越える世帯が高所得者層であることがわかる。

一方、シンガポールとマレーシア以外の国では1万ドル未満が圧倒的なボリュームゾーンといえる。ベトナムは6割を越える世帯が5,000ドル未満の世帯である。

■一人当たり年間支出および主な内訳

ミャンマーやラオスは年間支出が600ドル程度、そのうちの6割が食費であり、他の支出にまわせるほどの収入がないことが伺える。フィリピン、ベトナム、カンボジアも食費の支出が4割を超えている。一方で、支出額が1万7,522ドルと突出しているシンガポールでは食費の比率は1割にも満たないが、食費額を算出すると1,331ドルと、ASEANでは一番高額になる。

②外食産業のマーケット情報を知る

ASEANに勢いがあるからといって、どの国に進出しても成功するというわけではない。先述の『タイでラーメン店』の例で考えた場合、高価格なメニューのお店だと、一人当たりの売上高の低い国では、成功の見込みは少ない。今回は、外食産業に絞った市場規模と成長性を見てみる。各国の外食産業が、いまどのような市場規模なのか、今後どのように成長していくのかを知ったうえで、どの国を選ぶのか検討していく必要がある。

■外食産業の市場規模(総売上)、成長見通し

外食産業の市場規模(総売上)と成長見通しを見てみると、最も市場規模があるのはインドネシアである。一人当たりの売上高は130ドルとASEANの中でも低い水準ではあるものの、今後も毎年4.5%の成長が見込まれている。

また、フィリピンは8.3%、ベトナムは7.3%とこちらも高成長が予測されている。ベトナムにおいては、2020年にタイと同等の市場規模に達する見込みだ。一方、一人当たりの売上高を見てみると、市場は小さいもののシンガポールとブルネイはそれぞれ1,519ドル、729ドルと高い水準であることが注目される。

 

ここまでASEAN各国のGDP、人口予測などの基礎情報と、外食産業の市場動向を見てきた。情報不足や調査不足から「こんなはずでは…」と後悔しないよう、紹介したデータを参考に情報収集を進めてほしい。次回は、飲食店の進出の際に最もハードルが高く、失敗したエピソードも多い、「③外資規制を確認する」について解説する。

取材協力:独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)


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