企業インタビュー
2013年09月24日
印刷物全般の制作から始まり、飲食企業様への販促資材の制作や翻訳業務など、幅広いビジネスをタイ国内で展開される株式会社コクシン様。今回は、現地スタッフとのコミュニケーションの取り方や教育方針、各種制度の整備など、人材育成についての貴重なお話をお聞きしました。
【Q】タイ進出のきっかけをお聞かせください
弊社は1958年創業の京都に本社を置く国進印刷株式会社のタイ法人です。元々は中国に駐在事務所をおいていました。さまざまな問題があり、他国への移転を検討していました。そんな折、日本から近いことや産業の状況、さらにコスト面などを総合的に考え、タイへの移転を決めました。
【Q】事業内容をお教えください
印刷物全般の製作からデザイン、翻訳業務を行っています。また、各業界向け専門展示会のブース設置や装飾用の看板製作など、展示会施工業務のトータルサポートを行っています。
【Q】お取引先で多い業種はございますか?
自動車・電機などの製造業から飲食業までさまざまです。
【Q】飲食店からの依頼はどのようなものが多いですか?
メインとスポットのメニューブック製作や、POP、立て看板、折り込みチラシなど、販促資材の制作依頼が中心です。さらに、箸袋やコースター、ランチョンマットに店舗ロゴを入れたオリジナル備品の制作依頼も多数いただいています。
【Q】他社には負けない技術・サービスをお教えください
最新印刷機器の導入でスピーディーな納品が実現
弊社では、MACからのカラーキャリベーション機能を搭載した最新印刷機の導入により、高品質の商品を安価に提供できます。また、タイの特徴として、納期にルーズな企業が多いように感じますが、弊社ではスピードと納期厳守について、従業員への指導を徹底しているため、他社には負けない自信があります。スピード対応ついてはお取引先からもご好評いただいており、お取引先から新たなお客様をご紹介いただくケースも多々あります。
【Q】タイ人のスタッフについてお聞かせください
タイと日本は違う国なので、基本的な考え方や仕事に対する価値観が異なっている部分ももちろんあります。ただ、私がいつも肝に銘じているのは「タイ人スタッフがいてこそ会社が成り立っている」ということ。「タイ人はプライドが高い」ということもよく言われていることもあり、あまりガミガミ言うことはしないようにしています。アメとムチで言えば、アメを使う方がタイ人には効果的かと思います。基本的に他のスタッフがいる前では極力怒りません。また指摘した際には、自分自身の将来の糧につながるという激励もするようにしています。
【Q】スタッフとのコミュニケーションをとる際に困ったことはございますか?
私が事務所に不在の際、何か問題が発生すると、それが簡単な問題だとしても、私の帰社を待ってしまうということがよくありました。私としては、簡単な問題であれば、すぐに自分たちで判断し、仕事を進めてもらいたいと思うのですが、スタッフからすると、「どこまで自分たちで判断してよいかわからない」「日本人の感覚がわからない」という部分だったようです。ですから、スタッフたちの不安を取り除くためにも、私が不在でもこういう部分は自分で判断して仕事を進めていいんだよ、ということを一回一回丁寧に説明するようにしてきました。徹底的に感覚のすり合わせを行ったのです。
【Q】タイ人スタッフと一緒に仕事をして良かった点をお教えください
スタッフへの感謝の気持ちを語られた平山様
私も経験を重ねながらわかってきた部分なのですが、教育やコミュニケーションを通して、信頼できるタイのスタッフができてくると、会社としては本当に助かります。そして、私にとっても大きな喜びです。これからは、さらにコミュニケーションを重ねながら、私が不在でもスタッフだけで回せるような組織を作っていくことを目指しています。もちろんスタッフには、少しでも長く弊社で働いてもらいたいと思っていますので、最近は積立貯金などの制度を設けるなど、彼らの将来につながる取り組みも考えているところです。その他にも、頑張った社員には、日本本社への出張研修も来年からスタートする予定です。また、単純にボーナス査定をよくしたり、実家への帰省などの休暇を認めるなど、ご褒美的な制度を取り入れていくことを考えています。
【Q】現在、日本からの注目も高いミャンマーへの出張を多いとお聞きしましたが、ミャンマーに対する印象をお聞かせください
私も足を運び出してまだ間もないですが、それでも毎回街の風景に変化があると感じています。しかしインフラは全く整っていないため、停電もしばしば起こります。まだまだ、これからの国だと思います。一方で、ミャンマーの方は本当に働き者です。今後、外資が参入してくると変わってしまうのかもしれませんが、現状では何の事業をするにも魅力的な国に間違いありません。弊社からも、ミャンマーでのビジネスをご案内することも可能ですので、ご検討中の企業様は、ぜひご相談ください。
【Q】日本企業へのメッセージをお願いいたします
弊社はタイで仕事をさせてもらっている身ですので、お取引先もスタッフに対しても、「タイ人を尊重する」ということが一番大事だと考えています。スタッフの育成についてなど、ぜひタイ進出時のご参考にしていただければと思います。
日本の京都市に本社を置く、総合印刷会社、国進印刷株式会社のタイ法人。
2011年1月に設立。以降、オフセット印刷を中心に各種印刷関連事業を展開。
その他、展示会でのトータルサポートや飲食店向け印刷物制作物の製造なども行っている。
最近では、タイ及びミャンマーでの視察、各種アテンド、市場調査など、日本企業の進出サポート事業も開始した。
業種:印刷物製造 店舗数:1店舗 従業員数:15名
本社所在地:393/1-2 Moo6, Soi Watyai, Suksawat Rd, Tumbol Naiklongbangplakod, Amphur Prasamutjadee, Samutprakarn 10290
お話:MD(マネージングダイレクター) 平山 氏
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