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行列が続く「一蘭」台湾1号店。成功の理由は立地にあり

ヘレン  2017年08月01日

2017年6月15日に、とんこつラーメンの有名店「一蘭」の台湾1号店が、台北市・信義区にオープンしました。信義区は、台湾のランドマークである「台北101」や、商業施設が立ち並び、台湾の流行の発信地と言えるエリアで、国内外の観光客も多く訪れます。

テレビの報道によると、店の前には前日の深夜2時から行列ができ、午前11時のオープン時には、200人以上の方が並んだといいます。ラーメン店のオープンに、なぜこんなに行列ができたのでしょうか?

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一蘭台湾1号店の外観

実は、台湾における一蘭の知名度は、オープン前から大変高いものでした。台湾の人気モデル兼女優である林志玲(リン・チーリン)さんが、日本のおいしいラーメンとして一蘭を紹介したことも、知名度を上げたきっかけのひとつです。

その後、九州の一蘭本店の工場見学とラーメンを食べるパックツアーが人気を呼び、一蘭を知る人はますます増えていました。そのタイミングで、台湾1号店オープンの発表を行ったため、ニュースでも大きく取り上げられ、店の開店初日に大勢のファンが押し寄せたのです。

オープン当日は、台湾のヤフーニュースでも、一蘭の記事がトップにエントリーされました。その後も、「26歳の女性が店長を務める」「香港店のオープン時から続いた行列時間の記録(196時間)を抜いた」「ファストエントリー(行列に並ばずに優先的に入店できる制度)サービスの購入金額6,000元(約2万2,000円)が高額との報道に、一蘭が謝罪」など、次々と話題になりました。

日本でもファストエントリーの購入金額や謝罪が話題になったそうですが、台湾では人気がかげるどころか、その後も客足が遠のくことはありませんでした。

オープンから10日が経過しても、70~80人の行列ができていたようです。24時間営業ということもあり、混雑を避けるつもりで深夜2時に並び始めても行列は収まらず、「結局、食べ終わったのは夜明けだった」とつぶやいたネットユーザーもいたほど。とにかく、連日大行列が続いていました。

執筆者プロフィール

ヘレン 

東京生まれの日本人。日本で会社員生活を経たのち、台湾人の夫と結婚して、1997年より台湾生活を開始。
子育ての傍ら、日本と台湾に関連するビジネスを起業し、「ビジネスセンター」設立準備にも従事。現在、日本語対応の強みを生かし、台湾における会社設立の相談をはじめ、企業の台湾進出をサポートする。
本コラムでは、16年間に及ぶ台湾生活で経験した台湾の変遷、商習慣、生活情報などを現地目線で紹介予定。

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