企業インタビュー
2014年11月11日
今回は、「漬物・福神漬のしんしん」で知られる新進の中国販売会社、青島新進三通商貿有限公司様にお話を伺いました。中国で委託生産し、華東地域で販売網を広げています。
【Q】なぜ、中国に進出したのでしょうか?
弊社は日本国内市場縮小を背景に、海外市場開拓を目指しておりました。販売拠点に中国を選んだのは、日本向けの製品の生産拠点があったためです。2010年3月に中国での販売会社・青島新進三通商貿有限公司を設立し、同年9月から中国での販売を始めています。
【Q】どんな商品を扱っていますか?
主力製品は大根、きゅうり、にんにくを使ったしょうゆ漬けや福神漬、しば漬け、たくあん、釜で炊いた漬物です。漬物以外では、茹でたじゃがいもを真空パックに詰めたチルドポテトという商品も販売しています。
商品は業務用、家庭用の両方を扱っております。業務用は問屋様を通じて販路を広げ、家庭用はイオン、ユニー様などの日系スーパー、中国系スーパーやナショナルチェーンのカルフールなどの大型スーパーで販売しています。
【Q】中国国内向け商品と日本国内向け商品の違いはありますか?
ほとんど味は変えていませんが、中国人の好みに合わせて一部商品の辛味を強くしたりしています。中国の方は、はっきりした味を好まれるように感じます。
【Q】日本と違う商習慣があれば教えて下さい
中国で販売されている漬物
中国現地のスーパーやナショナルチェーンは、バーコード料と言われる登録費が掛かり、場合によっては無条件で返品されることもあります。リスクをコントロールしながら販路を拡大しなければなりません。登録費が掛からないスーパー様や飲食店様への販売実績を積み重ね、しっかりと足場を固めてから次のステップに進む必要があると感じています。
【Q】納品に関して、日本との違いなどは有りますか?
物流の時間が遅れる、荷物の扱いが悪く破損率が高いというところが違いますね。小売店に関しては、商品棚の配置が約束と違うケースや、店の中の商品の欠品をメーカーが管理しなければならないケースもあるので、導入後のケアが必要です。
【Q】御社の営業スタッフについて、どのように感じるか教えて下さい
合理的な考えを持ち、特に地方出身者はハングリーな印象を受けます。また優しく思いやりのある人も大勢いると思います。日中関係が特に緊張した際は本当に心配してくれました。逆にその人も家族に心配されていたはずなのに、心配して優しい声を掛けてくれたことに対し、本当に有難く感じたことを憶えています。
【Q】中国の市場についてどのように感じますか?
経済の発展スピードは落ち着いてきているとは言え、今すでに豊かな生活を享受している巨大市場があり、その人々の生活水準は下がることは考えにくいです。中国が世界最大の中間層人口を持つ、食品業界にとって魅力的な市場であることに変わりません。市場競争が激化していますが、日系企業の得意とする技術力や付加価値の提供で差別化ができる環境ともいえます。
【Q】これから中国進出を考えている企業、中国進出を検討している企業にアドバイスをお願いします
偏見を持たず自分で足を運んで、見て、会って、中国語を上手に話せなくても現地の方とコミュニケーションをとってみてください。業務をする上では、積極的に現地に中に入り込んで、中国人社員が見ている現場や考えを共有することが成功への鍵だと思います。
2010年9月に山東省青島で漬物などの販売を開始し、現在は主に上海を中心とした華東地区、北京を中心とした華北地区、成都、広州と販売網を展開している。
業種:食品メーカー 店舗数:1 従業員数:6名
本社所在地:山東省青島市
お話: 渡辺将康 営業部部長
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