世界でたたかう外食企業

台湾で付加価値のある物流を広める(全台物流股份有限公司)

2014年02月10日

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「物流」という言葉がなかった80年代から、台湾で物流業を展開している全台物流股份有限公司様。ファミリーマートのほか、飲食店に食材の卸業務もされています。台湾の物流事情と、外食産業の傾向をお聞きしました。

【Q】事業内容を教えてください

1989年の設立以降、日本のファミリーマートの物流ノウハウを生かし、台湾ファミリーマートへの物流事業を担っています。また、2011年に外食向けの食品、食材の卸の事業にも参入し、現在では吉野屋様や日系のフランチャイズチェーンなど10社、約80店舗向けに販売しております。

【Q】創業当時、苦労されたことなどを教えてください

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桃園懸大渓鎮にある物流拠点。HACCP、ISO22000
導入済みで、物流管理が行き届いている

まず、「物流」という言葉も概念も、台湾にはなかったことです。

会社登記で官庁に「物流業というのは中国語にはない」と指摘されて困りました。そのときは孫文の「物盡其用 貨暢其流」(物の用途を上手に発揮するには、物を上手に流すことである)という言葉を用いて説得し、事なきを得ました。物流という言葉を最初に社名で使った会社は台湾内ではうちがはじめてでしょう。

社員も、物流の概念がよくわかっておらず、ただただ商品を運べばいいものという認識で当初は大変でしたね。しかしコンビニエンスストアの精度の高い、細かなサービス要求に応える中で、付加価値の付いた物流サービスの必要性を認識するようになりました。

【Q】食品卸の事業に注力されていますが、その中での御社の強みは何でしょうか?

23年間にわたって構築したコンビニエスストア向けの物流のノウハウと、システムです。弊社のネットワークは全台湾に及び、台湾内7箇所に物流拠点を設けています。HACCP、ISO22000も導入済みで、3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)にも対応しております。

また、コンビニエスストア向けの商品提供業者との関係性を利用した商品調達力も大きな強みになります。

【Q】最近、台湾で食品内容の偽装が問題になりましたね。台湾の食品業界の問題点は、どういうものがあるでしょうか?

偽装に関しては、台湾の平均収入は16年前と変わらず、商品のコストが上がっても値上げが難しいため、変な方法でコストを下げようとしていることが原因だと思います。

物流に関しては、台湾は家内工業的な中小食品メーカーが多いため、物流や配送のレベルはやや遅れているなと感じています。

【Q】台湾の方の食に対する姿勢はどうでしょうか?

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トラックは3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)で輸送

食へのこだわりが高く、食文化のレベルは高いです。外食比率が非常に高く、食べ物にはお金も惜しまないという様子もみられます。日本人がびっくりするような単価の高いお店にも、おいしいのならばお客さんはどんどん入ります。

【Q】最近の日本食産業には、どんな傾向がありますか?

若い人を中心に親日家が多く、日本で本物の味を体験した人が増えるとともに、本場の味へのニーズが高くなっています。「なんちゃって」の日本食料理店は淘汰されていますね。日本のチェーン店など、日本の味をそのまま持って来られる実力のあるお店が人気を集めています。日本で本物の味を経験した台湾の方が出資して日本のブランドを呼び込むということもあります。

マーケットの成長とともに、サプライサイドへのニーズも大きくなるので、日本からの食材輸入や、日本で使われているものと同じ食材を台湾で開発するといった動きは加速していると感じています。

【Q】日本にはない台湾独自の商習慣はありますか?

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お話を伺った張建中董事長兼総経理。日本の大学
に留学していたため、流暢な日本語を話されます

台湾には問屋や卸業が存在していないという点は日本と異なりますね。台湾では、小売業は直接メーカーと取引します。

外食産業向けの卸はありますが、非常に規模が小さく、品質もあまりよくないです。そこを改善したら、チャンスがあるかなとは思います。

商品の仕入れに関しては、台湾の方は価格を最重視します。付加価値よりも、イニシャルコストの比重が大きいです。

【Q】今後の展望を教えてください

外国からの食材を充実させていきたいですね。現在、食材の調達元はほとんど台湾内ですが、海外、とくに日本からの食材を仕入れ、商品力を強化していきたいです。

【Q】これから進出される、もしくは進出を検討されている日本の企業へ一言お願いします

台湾は日本の企業の方が進出するのには適した環境です。弊社では高度な物流をベースにした、高い付加価値を持った食材提供のサービスができますので進出した際には是非よろしくお願いいたします。

全台物流股份有限公司

1989年、台湾ファミリーマートの物流支援及びサプライチェーンの統合強化を目的として設立(出資比率は台湾ファミリーマート51%、伊藤忠商事25%、日本アクセス15%、日本ファミリーマート9%)。「適時、適地、適量、新鮮、健康、安全」をモットーとした高度な物流サービスを提供し、コンビニエンスストア向けへの付加価値の高い物流サービスと商品調達力をベースに、外食産業向けへの食品卸事業を展開している。HACCP、ISO22000導入済み。

業種:物流、食品卸 店舗数:台湾内6拠点 従業員数:社員620名、事業会社610名(2013年10月時点)
本社所在地:新北市林口區東林里宏昌街1號
お話:張建中 董事長兼総経理

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