業界動向

ASEAN各地にネットワークを持つレンタルオフィス(クロスコープ・シンガポール)

2014年03月18日

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シンガポールで日系企業向けのレンタルオフィスサービスを提供するクロスコープ・シンガポール様。日本語対応だけでなく、同社の東南アジア各都市の拠点でもサポートが受けられるなど、シンガポールからアジア各国への横展開を目指す企業にとって心強い存在です。外食企業も含めた約150社が利用するという同社に、シンガポールのビジネス事情を伺いました。

【Q】事業内容を教えてください

日本では10年以上前のITベンチャーブームの際、起業家たちを育成しようという思いでインキュベーション型のレンタルオフィスを始めました。都内の3箇所でレンタルオフィスを運営しています。

2009年に、少子高齢化などの日本の先行きを見て、今後日本の企業は東南アジアに進出していくのではないかと感じ、拠点を海外へと広げました。シンガポールのほかに、ジャカルタやマニラ、デリー、ホーチミンで日本語対応のレンタルオフィスを運営しています。

東南アジア広域にネットワークを構築しているので、シンガポールから他国へ出張されるお客様に、その国の弊社の担当者を通じてキーマンや政府担当者を紹介することもあります。オフィススペースの提供だけでなく、お客様の事業展開に必要な情報やアドバイスを付加価値にしております。

【Q】シンガポールでの日本食レストランの進出概況などをお聞かせください

日本人駐在員向けの高級居酒屋さんや日本料理屋さんは昔からあり、現在は日本で成功した大手チェーン店が一挙に進出しているという状況ですね。それに加えて個人店舗や規模の小さいお店などあらゆるお店がどんどん出てきています。新規出店も多いのですが、撤退する店も相次いでいます。

【Q】シンガポールで成功しているお店は、どんな工夫をされていますか?

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個室のレンタルオフィス

日本では地名度が高いお店でも、シンガポールでは無名なわけですから、業態を変えたりしています。例えば、エーピーカンパニーさんは日本では自社養鶏所で育てる宮崎地鶏を使った居酒屋ですが、シンガポールでは食肉法の規制で宮崎地鶏が手に入らないので、鶏コラーゲンスープのラーメン屋として展開して成功しています。

いろんな変化が起きる場所なのである程度市場に合うように調整しないと、うまくいきませんよね。日本のやり方にこだわりすぎるとシンガポール人に受け入れられず撤退、ということになります。いかにシンガポールの人たちに合わせ、認知させていくかが成功のポイントだと思います。

【Q】実際に飲食店を運営するにあたり、どんなことに気をつけるべきでしょうか

現地人と日本人の間に立って働く現地人マネージャーの育成です。

日本であれば、「いつか自分の店を持ちたい」と夢を描き高いモチベーションを持って働く人が多くいるのですが、シンガポールの場合「飲食店以外の働き口がないから仕方なしに」というようなモチベーションの低いスタッフが多くいます。日本流のレベルの高い接客を押し付ければ押し付けるほど、すぐ辞めてしまいます。

そこで、日本のやり方をある程度理解して現地人に伝えられるバッファーとなる現地人マネージャーの育成が必要となってきます。今後店の中核となりうるような現地人マネージャーを育成できれば、店舗がうまく回転し、二店舗目、三店舗目と展開も順調にいきます。

【Q】出店地選びで気をつけるべき点などありますか?

店舗契約までのスピード感が日本と違うことを理解しておくべきです。「店の立地次第で事業がうまくいくかの6割が決まる」と言っても過言ではありませんが、シンガポールには世界中から名だたる飲食店が集まり、条件の良い物件は迷っている間に他社に取られてしまいます。こちらで候補物件を探して日本の本社に持ち帰って承認をしてもらう、ということをやっていたら、シンガポールのスピードに追いつかないでしょう。向こうは待っていてくれません。契約がまとまっていてデポジットを明日入金するという段階になっても、より良い条件を提示する他社に横取りされてしまうことはありましたから。

店舗の立地を調査し、実際にリーシングの段階になったら、責任者がこちらに張り付いて、即断即決できる体制が不可欠です。

物件主も常に新しいサービスを求めています。交渉前に試食会などを開いて自分のサービスを知ってもらうための努力も必要です。

【Q】日本企業へのメッセージやアドバイスをお願いします

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会議室の利用も可能

平均年齢が40代後半に差し掛かっている日本と、平均年齢が20代の東南アジアでは、平均所得では想像が出来ない消費に対するマインドの違いがあります。ぜひ、東南アジアの熱を感じていただき、自社の成長戦略を描いていただければと思います。

しかし、シンガポールとカンボジア以外は、外資規制や最低資本金の制度があり、簡単に進出することができません。合弁企業にしてもフランチャイズ展開にしても、利益の吸い上げ方やマネジメントの仕方など、パートナーとの交渉・契約締結には膨大な労力と時間がかかります。

そのため、まずは所得水準が高いシンガポールで成功体験を作ったのち、ほかの国への横展開を目指すという方が多くいます。シンガポールでの成功実績は、投資家やサプライヤー消費者にとってもインパクトがあり信頼性を高める材料となるため、非常に有用です。

また、東南アジア進出、シンガポール進出とひとまとめにせず、市場調査フェーズ、具体的な立ち上げフェーズ、周辺国への拡大フェーズに分けて、それぞれのフェーズに必要なリソースや施設などを使い分け、経済的で且つリスクを極力減らした進出をしていただければと思います。

CROSSCOOP SINGAPORE PTE LTD(クロスコープ シンガポール)

業種:レンタルオフィス事業 店舗数:1 従業員数:7名
本社所在地:80 Robinson Road #10-01A
お話:三庄子素史取締役、関泰二取締役

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