企業インタビュー
2013年09月17日
タイのバンコク市内を中心に水産卸をされているインターパントレード様。日本食レストラン向けに寿司ネタ、マグロ、サーモンなどの販売と、オリジナルブランドの冷凍水産品を日本へ輸出されています。今回は事業内容とともに、タイの食品業界が抱える問題や、今後のビジネスチャンスについてお話いただきました。
【Q】タイで事業を始められた経緯をお教えください
元々、海外で働きたいという希望があり、日本の食品会社のタイ駐在員として勤務していました。その後、帰国を命じられ国内業務に専念するように言われてしまったため退職することを決意したのです。単身バンコクにやって来て、こちらの商社やレストランに勤務したのち、2009年に起業しました。
【Q】現在の事業内容をお教えください
事業内容は大きくわけて3つです。一つめは、寿司ネタの販売です。日本から水産加工品を輸入し、バンコク市内の日本食レストランに卸しています。二つめは、プーケットからマグロを仕入れ、寿司ネタ同様、レストランへの販売です。三つめの事業としては、タイの工場で製造したエビフライなどの冷凍加工品の輸出です。販売業も輸出業もどちらとも、弊社オリジナル商品を中心に取り扱うように心がけています。
【Q】会社設立後に苦労された出来事はありますか?
いろいろな経験をしてきましたが、特に辛かったのは信頼関係にも関わる支払いについてです。東南アジアでは一般的に支払いのリスクが高いと言われていますが、タイ人だけでなく意外と日本人同士でもそういった問題が起こりうるのです。
異国の地で日本人同士だとどうしても信頼してしまいがちになるものですが、やはりいろいろな人がいます。一攫千金話を持ち掛けられたり、支払いが滞ったりということも残念ながら多く経験してきました。その反面、信頼関係が一度構築できると、その後は良い関係でいられるという長所もあります。
【Q】お取扱い商品についてお教えください
マグロ・サーモンなど、水産品を中心に約40商品取り扱っています。
【Q】品揃えで気をつけていることや、こだわりはございますか?
弊社は小規模ですので大手と同じことやっても勝てませんが、大手では取り扱えない希少価値の高い商品を扱うことで差別化しています。
実際、そういった商品には良い商品も多いですし、私自身が取扱い商品を好きなので非常に面白いです。やはり仕事といっても自分自身が好きになれる商品でないと楽しくないので、仕事としても成功しないのではないでしょうか。
【Q】取引先についてお教えください
日本食レストランがほとんどです。企業当初は自ら飛び込み営業をし、新規顧客開拓に力を注いできました。しかし、最近ではお客様同士の口コミを中心に、お取引先を増やしています。
【Q】タイ独特の食品業界の問題点はありますか?
タイの食品業界の特徴だと思いますが、日本と違い中間物流が少ないという点が挙げられます。小さな製造業や卸が沢山いて、自社の商品だけをそのまま店舗に配送しているというイメージです。まだ日本のように統一配送だったり物流センターなどの概念が未発達です。
雇用面では、離職率が高いです。タイの方は、何でも自分で事業をやりたがる傾向にあります。会社に勤務していても自分が食べていけそうなビジネスを見つけると、辞めると同時にその仕事を持って行ってしまいます。そのため経営者としては、そのようなことが起こらないように、組織作りや仕事の割り振りの工夫が必要です。
【Q】日本企業へのメッセージとアドバイスをお願いします
商品への思いを語っていただいた 小野社長
バンコクでは、日本食はブームというよりカルチャーとして定着したのではないかと思います。今後は「きちんとした日本食」を広めていける方にぜひバンコクにいらして欲しいですね。
まだまだこれから経済発展する国ですのでチャンスは大きいですが、とくにここから3~4年が勝負のタイミングなのではないかと、個人的には考えています。ぜひ、近いうちにタイで一緒に仕事をしましょう!
2009年にタイのバンコク市内に事務所を設立。寿司ネタや水産加工品の販売を開始する。近年では、冷凍エビフライなどのオリジナル商品の開発及び、日本への輸出業にも力を入れている。
業種:水産卸 店舗数:1 従業員数:5名
本社所在地:160/11/2A I.T.F SILOM PALACE BLDG,SILM Rd,SURIYAWONG, BANGRAK Bangkok10500.
お話:Sales Manager 小野 氏
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