業界動向
2014年01月21日
タイで日系レストランを中心に、レストランの内装を手がけるAAP2 CO.,LTD様。タイ人の習慣を尊重しながら、タイ人とともに日本式のきめこまやかな対応を実現されています。現地の事情についてお話を伺いました。
【Q】タイで事業をはじめた経緯を教えてください
アジア諸国を調査した際、タイには優秀な人材がいること、日本に興味を持っている人が多い親日国であることから可能性を感じ、タイでの事業を始めました。弊社のほかに、タイの現地法人は2007年に立ち上げられたグラフィックデザイン会社「AIOP ASIA CO.,LTD」があります。
【Q】御社の事業内容を教えてください
タイでデザインから完工までの内装関係の業務をしております。弊社の日本人担当2人が窓口になり、細かな要望やニュアンスを汲み取り、弊社のタイ人デザイナーおよび設計スタッフ、現地の提携施工会社に落とし込みます。提携会社は日本のやり方や考え方に理解を示しているので、きっちりとした仕事をしてくれています。デザインは日本の会社でやるので、施工だけやってほしい」というお客様の案件も引き受け、施工管理の窓口になることもあります。
【Q】お客様はどのような業態が多いでしょうか?日系とローカル企業の比率はいかがでしょうか?
AAP2社様が手がけた日本食料理店の内装
「いまのところ、8割くらいが飲食店様ですね。残りの2割がオフィス内装です。日系の飲食店では、大戸屋様、ココ壱番屋様、リンガーハット様の店舗を担当させていただきました。
企業の比率では、日系が7割、ローカル企業が3割くらいです。そのほか、アジアの近隣諸国で成功しタイにも出店したいというお客様もおります。弊社のタイ人スタッフも日本式の丁寧な対応をしていることが、日系以外のお客様から信頼される理由かなと思います。
【Q】他に負けないという技術や特徴があれば教えてください
日系のお客様に対しては、日本人スタッフ2人体制で、施工の仕方、材料の選定を顧客のニーズに沿う形で対応している点ですね。ドア一枚といった案件も引き受けるなど小回りの利くよう心がけることが、他社にはない特徴だと思います。
【Q】タイで事業をするにあたり、苦労された点をお聞かせください
資材調達ですね。お客様が指定される資材が、タイにはないということがあります。その場合は輸入し手配するか、もしくは仕様・材質の近いものを当地で手配するなどの対策をとっています。
また、お客様が日本からの出張ベースでみえる方が窓口である場合、現場を見ていただくことができず、やりとりがなかなか進まないこともあります。お客様が店舗を借りた時点で物件の賃料が発生しているので、時間をかけることもできません。お客様からいただいたご要望を、図面や3D等でビジュアル化し、提案・変更を繰り返すことになります。そこでまた当地で会えた時に更に詰める、といったことを繰り返して、お客様のニーズに沿ったものを追求していきます。
【Q】御社はタイ現地の施工会社と提携しておりますが、タイ人との協働という点ではどうでしょうか?
お話を伺った小久保氏(左端)
タイ人と働く上で、言葉の問題や仕事に対する姿勢の違いもあり、業務がスムーズにいかないこともあります。例えば、時間の使い方への認識が大きく異なりますね。とは言え、日本のやり方を押し付けるのではなく、タイ人の習慣を尊重していくことは大事です。社内のスタッフ、提携会社の作業員に対しても、あいさつなど普段のコミュニケーションを大切にし、理解しあえるような環境づくりを心がけています。
東京の広告代理店「アドポイント」の関連会社。2009年に設立。タイの施工会社とタッグを組み、飲食店の店舗内装やオフィス内装のデザイン、設計、完工までを手がける。
業種:インテリアデザイン、施工 店舗数:1 従業員数:10名
本社所在地:88A.P. Nakarintr Tower 11 FL. Room No 11/5
Soi Lasalle 58 Srinakarint Rd. Kwaeng Bangna
Khet Bangna Bangkok 10260
お話:Managing Director 小久保富夫 氏
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