アンケートでわかった進出のヒント

日系飲食店が注目する台湾ビジネス。企業を惹きつける魅力を探る

鷲澤 圭(株式会社Resorz)   2016年07月27日

台湾 台北101

人口2300万人ほどと、それほど大きくない市場にもかかわらず、日本企業の進出が多い台湾。何が日本企業を惹きつけるのでしょうか。本コラムでは、海外進出企業へのインタビューとアンケートをもとに、台湾進出の魅力を探ります。

中華圏への進出の第一歩

日本から飛行機で4時間弱と、日帰り出張も可能な台湾。その地理的条件も日本企業にとって大きな魅力ですが、やはり一番の魅力は「中華圏」であることです。中国へ進出を検討しているが、いわゆる「チャイナリスク」が心配で踏み出せない――。そんな企業が、まずは台湾でパートナー企業を探したり、自社の商品やサービスの需要があるのかを見極めるテストマーケティングをしたりと、足がかりをつくるケースが多くなっています。

また、忘れてはいけないのがアジアで屈指の親日国であることです。日本語が堪能な人材も多く、日本人スタッフとの意思の疎通も比較的簡単に行なえます。

上記の魅力以外にも、日本企業にとってビジネスのしやすい要因を、台湾へ進出した各企業へのインタビューから見ていきます。

台湾進出は日本企業にとってスムーズに進みやすい?

東京都内を中心に、首都圏で立ち食いそば屋100店舗を展開し、手軽な料金設定と豊富なメニューで人気を呼んでいる「名代 富士そば」。同社は2014年9月に、台湾の日系デパート「新光三越」へ現地1号店をオープンしました。そのきっかけは、新光三越からの「日本そばで出店をしてみませんか?」というオファーだったと言います。そこでまずは、現地の人々の反応を見ようと新光三越が開催する日本物産展に出展したところ、お客様からの反響がとてもよく、進出を決めたとのことです。

進出の際に味付けを変更したのかお聞きしたところ、「台湾では日本よりも薄味が好まれるため、若干薄味で提供していますが、ほとんど同じです」という回答でした。

もう一社、日本では手頃な価格で定食が楽しめると人気の「やよい軒」へのインタビューをご紹介します。2014年7月にオープンした台湾1号店は、一人前1000~2000円で定食を提供し、毎週日曜日の夜には高級車が何台も店の前に停まっているほど人気を集めています。タイ・シンガポール・オーストラリアの後に台湾へ進出した同社ですが、台湾への進出は他の国に比べ、非常にスムーズだったと述べています。

同社にも味付けに関して聞いてみると「日本と全く一緒にしています。タレも全量輸入しましたし、原材料に関しても入れられる物は輸入しました」という回答でした。

「ローカライズ」しなくても受け入れられやすいというメリット

上記2社のインタビューから見えてくるのは、台湾進出時の「ローカライズ」に関するメリットです。通常、海外進出においてローカライズは非常に重要な課題となります。それを補足するデータとして、海外進出支援サイト「Digima~出島~」のパートナー企業・海外進出支援事業者700社に行った「海外展開を成功させるために日系企業が注力すべきこと」についての調査データがあります。

執筆者プロフィール

鷲澤 圭(株式会社Resorz)  

株式会社Resorzのメディア事業編集長。同社が運営する海外進出・海外ビジネス支援サイト「Digima~出島~」の記事執筆から編集、運営までを担当する。大学卒業後、株式会社PHP研究所にてビジネス本の編集に携わる。日本企業の海外進出に興味を持ち、海外進出支援事業を行う株式会社Resorzへ入社した。

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