業界動向
2016年05月24日
台湾で日本人向けの観光情報誌およびWebサイト「な~るほど・ザ・台湾」を発行・運営する美好寶島出版社股份有限公司。1987年創刊という30年にわたる実績で培った、現地ライター陣のネットワークを活かし、最新の台湾情報を発信しています。代表取締役・萩谷泰也氏に、媒体の特徴や飲食ビジネス事情についてお伺いしました。
【Q】事業内容について教えてください
1987年創刊の台湾情報誌「な~るほど・ザ・台湾」の発行およびWebサイトの運営です。台湾在住の日本人と、台湾を訪問中の日本人観光客向けに、日本では得られない台湾の最新情報を取材・発信しています。また2014年からは、台湾人向けに日本の九州の観光情報を紹介する「美好九州」の発行も始めました。どちらも企画・編集から印刷・配布まで、一貫して自社で行っています。
【Q】「な~るほど・ザ・台湾」の立ち上げ当初の話を教えてください
代表取締役・萩谷泰也氏
創刊した当時は台湾の日本語雑誌は非常に珍しく、また日本の空前の好景気もあって、十分に採算がとれる事業だったようです。特に日本人向けの飲食店などの広告が、紙面を賑わせていたと聞いています。
私は2015年に事業を引き継いだのですが、その時は紙という媒体は古臭いという印象を持っていました。今は数字にならない「強み」があると感じております。今後もできる限り継続発行していくつもりです。
【Q】「な〜るほど・ザ・台湾」にはどのような情報が掲載されているのでしょうか?
観光、グルメ、ショッピングなど、オールマイティな内容です。おかげさまで、多くの日本人に受け入れられています。近年は日本国内でも情報を深く掘り下げた台湾関連の書籍が多数発行されており、大きな脅威を感じています。ですが、弊社では長期在住のライターを多く抱えていますので、現地ならではの生の情報を届けることが可能です。これからもその強みを生かした誌面づくりに励み、期待に応えたいと考えています。
弊社刊行物はフリーペーパーではありますが、使い捨てのチラシとは考えておらず、保存版として十分に耐えうる仕様にしています。おかげで特集やインタビューを受けていただいた方々に大切に保存いただいているようです。
また最近、企画内容を思い切って女性向けに特化させました。編集長やライターを女性陣で固め、消費の主役である女性の視点で、台湾を紹介していければと考えています。
【Q】飲食店も多数掲載されていますが、日系飲食業の魅力・課題について教えてください
日本食のお店は昔から人気があります。最近は台湾進出ブームもあってか、街の風景を塗り替える勢いで日本食店が増えています。
日系飲食業の魅力は、そのおいしさと日本式サービスの細やかさに尽きるでしょう。ただすべての店がそれを実現できているかというと、必ずしもそうではありません。
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