業界動向

日本の技術提携が生み出した台湾の巨大企業~旺旺(ワンワン)

ヘレン  2015年07月13日

台湾はもうすぐ夏を迎えます。去年のレポートで真夏の「中元節・鬼月」のお話をさせていただきましたが、お供え物の「せんべい」を爆発的に販売する「旺旺(ワンワン)」は、日本の会社の技術指導の下に急成長した会社であることをご紹介したいと思います。

スーパーの売り場にはいつも
旺旺のおせんべいが大量に並んでいる

今から30年以上も前に、現在の旺旺集団総裁の蔡珩明(ツァイホンミン)氏が日本の米菓会社、岩塚製菓に技術指導をお願いしたのが旺旺の大きな成長の始まりだそうです。

この指導の下に、日本風のお菓子を台湾と中国で販売し、製菓業で大成功を収めると同時に、ホテル、旅行会社、保険会社など、多角経営の巨大企業に成長した 旺旺集団。中国市場を手に入れ、まさに絵に描いたようなサクセスストーリーを現実のものとさせた蔡珩明氏は、今では誰でもその存在を知る企業家となりまし た。

旺旺の「せんべい」は日本の硬いせんべいと違い、子供からお年寄までサクッと食べられるタイプのもので、ソフトな口当たりが基本になっています。硬いせんべいは台湾では、デパ地下にほんの少ししか置いてありません。一部の人しか買わないようです。

それに旺旺と比べて値段が高いため、日本人の私でも、「こんなに高いなら旺旺のおせんべいで十分」と思うくらい、旺旺の「せんべい」は美味しく感じます。

逆 に、台湾に来て長い私は、時々実家から日本風の硬いせんべいを送られると「何でこんなに硬い?」と不思議に思うようになってしまいました。日本の方に とっては、硬さが足りなくて物足りないと思う人もいるかも知れませんが、旺旺の「せんべい」は、そのぐらい大衆化しており、食べた事がない人はいないくら い台湾では認知度が高く、人気があります。

執筆者プロフィール

ヘレン 

東京生まれの日本人。日本で会社員生活を経たのち、台湾人の夫と結婚して、1997年より台湾生活を開始。
子育ての傍ら、日本と台湾に関連するビジネスを起業し、「ビジネスセンター」設立準備にも従事。現在、日本語対応の強みを生かし、台湾における会社設立の相談をはじめ、企業の台湾進出をサポートする。
本コラムでは、16年間に及ぶ台湾生活で経験した台湾の変遷、商習慣、生活情報などを現地目線で紹介予定。

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