業界動向

人材紹介会社に聞く多民族国家マレーシアの国民性(桜リクルート社マレーシア)

2015年04月10日

マレーシアで、人材紹介とビジネスコンサルティングを行う桜リクルート社。代表取締役の鵜子幸久氏は、株式会社リクルートに16年間勤め、その後マレーシアで起業した経歴があります。そのきっかけや同国を選んだ理由、国民性についてお話を聞きました。

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【Q】事業内容を教えてください

人材紹介とビジネスコンサルティングを行っています。クライアントは、製造業から飲食、物販、IT企業など幅広い業界に渡ります。

以前は製造業のクライアントからの依頼が多かったのですが、最近は依頼が減り、非製造業であるサービス業・飲食業・IT企業などからの依頼が増えています。

弊社はライセンス上、マレーシア人と日本人の紹介を行っていますが、低コスト運営を迫られるサービス業の場合は、賃金が低い一般スタッフについては外国人労働者を雇用せざるを得ないケースもあります。というのも、マレーシア人の賃金水準が10年間で2倍と上がったからです。熟練外国人労働者が残業込で月5万円くらいの水準のところ、マレーシア人の場合、経験のない新卒者でも月10万円前後になります。

【Q】マレーシアで起業された理由はなんですか?

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幼少の頃からの夢を叶え、起業した鵜子氏

幼少の頃より、いつか世界へ飛び出すことを決意していました。大学卒業後、株式会社リクルートへ入社し、新規事業の立ち上げを16年間行っていました。退社後に、アジア22カ国を回り、「安全」「多民族」「物価」の面から、マレーシアが一番起業しやすい環境だと思い、事業を始めました。

まず「安全」ですが、他のアジア諸国に比べて、圧倒的に安全でした。今も世界的には武装テロ事件などの問題が叫ばれていますが、マレーシア国内では「遠い世界の話」といった感じで受け止められています。

「多民族」な部分としてマレーシアは、マレー系、中華系、インド系が住む多民族国家であり、共通言語が「英語」です。しかも、それぞれの民族の第2言語という位置づけなので、非常に平易な英語が使われており、ビジネスがしやすいです。

最後の「物価」ですが、以前は日本の3分の1から4分の1でした。ただし、今では2分の1くらいの水準と上がってきています。

【Q】国民性の違いや注意する点など教えてください

日本人と比べると、時間にルーズです。また、愛社精神はあまりありません。従業員になっても定着率も低いですし、大体3年間で職場を転々としていく人も多いです。

そうしたことをあまり考慮せずに、日本式で従業員を教育しようとすると痛い目にあいます。プライドやメンツをとても大事にする国民性で、例えばトイレ掃除を依頼すると、翌日辞めてしまったというような話も聞きます。

基本的に身分意識が高く、いわゆる3K(きつい・汚い・危険)の仕事に対しては、マレーシア人の仕事ではなく、外国からの出稼ぎ労働者の仕事、と見ているようです。

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