業界動向

日本の味をそのまま台湾へ「すき家」と「やよい軒」

ヘレン  2014年12月22日

2014年7月に相次いで日本の大手外食チェーンの台北1号店がオープンしました。
セントラルキッチンを有する「すき家」と独自の厨房で料理を作り上げる「やよい軒」。双方とも、台湾のメディアに取り上げられ、初日から大行列、高い回転数を記録する出だしとなりました。

予想を上回る来客数に、不足する食材、備品が続出し、波乱の展開となるも、リーダーとスタッフが見事にさばき切り、さすがに両者とも日本を代表する会社の見事なオープンをみせていただきました。ご成功誠におめでとうございます!

日本の味を楽しもうと行列を作る人々

この2社に共通する点は、「日本の味」にこだわったところです。両方のお店でお食事をいただきましたが、まさに日本で食べるのと同じ味がしました。

実は海外ではよくある例ですが、せっかく日本の味を持ち込んでも、台湾の方に「味が濃い、塩辛い」などと言われると味を変えてしまい、今度は日本のお客様からは、「味が変わった」と言われて人気がなくなるというパターンが少なくありませんでした。

しかし、この10年で台湾の人々の食生活も大いに変化したといっても過言ではありません。マクドナルド、KFC、ピザなどを口にすることが多くなったほか、日本へ旅行する人口も増えており、日本の本場のラーメンや定食の味を知る人々も増えました。

以前の日本のように欧米化した食生活に変化し、白米の需要が減ったというデータもあるそうです。そういう意味で、今の日本料理の本来の味を、十分堪能する段階に台湾の人々が変化していると言えるのかも知れません。

多言語でメニューの確認、注文ができるタブレット

このような変化を察知してか、日本のレストラン会社の台湾への進出は目覚しく、東京や大阪の大手に限らず、地方からも台北へ出店し、十分成功された例も珍しくありません。

台湾は50年ほど日本に統治されていて、日本料理に対する知識は、他の国々より深く、関心も高いです。

特に日本統治時代を親から聞かされて育った世代の年配の方には、懐かしく、日本のドラマを見て日本を好きになった若い世代には、おしゃれに感じられ、人気があるのが日本料理なのです(台湾のケーブルTVは100局ほどあり、日本のドラマを見ることが出来ます)。また、女性には、油が控えめな日本料理は健康食として人気も高いです。

20年前の日本食レストランは、日本食と書かれていても実際には「なんちゃって日本食」だったので、今の本格的な日本食に感動する台湾のお客様が沢山いらっしゃいます。安くても高くてもおいしいものには素直に感動してくれる台湾の人々に、まだまだ沢山のおいしい日本の会社が進出をされることを望んでいます。

執筆者プロフィール

ヘレン 

東京生まれの日本人。日本で会社員生活を経たのち、台湾人の夫と結婚して、1997年より台湾生活を開始。
子育ての傍ら、日本と台湾に関連するビジネスを起業し、「ビジネスセンター」設立準備にも従事。現在、日本語対応の強みを生かし、台湾における会社設立の相談をはじめ、企業の台湾進出をサポートする。
本コラムでは、16年間に及ぶ台湾生活で経験した台湾の変遷、商習慣、生活情報などを現地目線で紹介予定。

業界動向  バックナンバー

関連タグ





メルマガ登録はこちら