企業インタビュー
2014年09月22日
日本食ブームが勢いづくバンコク。日本食料理店は1500~2000店舗といわれる激戦区でありながら、サガミチェーン(本社・愛知県)の1号店はオープン3ヶ月で客の現地人構成率95%となり、タイ人の間で「おいしいそばの店」として知られるようになりました。どのようにタイ人の心を掴んだのか、タイでの店舗運営についてご担当の今村光佑マネジャーにお聞きしました。
【Q】初の海外店舗をタイに選んだ理由を教えて下さい。
弊社は、タイを地理的にも外食産業のトレンド発信地という意味でもアセアンの中心的位置と捉えており、進出先に決めました。タイには日本食料理店が1500店~2000店あるといわれ、競合となる店舗は多いのですが、その分市場が拡大していると捉えています。
出店場所は、タイで中高級の部類に入るショッピングモール「セントラル・プラザ・ラーマ3世」です。高速道路の入り口に近いというアクセスの利便性と、弊社がターゲットとするタイの富裕層の居住エリアに近いため、こちらを選びました。
【Q】日本人客とタイ人客の構成比を教えて下さい。
タイ人顧客は、90~95%。残りは、駐在している日本人、中国人、韓国人などです。
【Q】日本とタイとで提供しているメニューに違いはありますか?
タイでは「少なくてもいいからいろんなものを食べたい」という方が多いです。そのため、少量多品種を意識し、タイの方にも馴染みのある天ぷら、刺身、とんかつ、寿司などのベーシックなラインナップを揃えたメニュー作りをしています。
日本の味を守るべくベースの出汁は日本より輸入しています。タイ人好みに合わせ少し修正をしました。
【Q】タイ人のお客様の反応はいかがでしたか?
顧客のタイ人比率は9割以上
弊社はそばをタイに広めようという戦略を持っており、全主要メニューにそばをつけています。当初不安視していた「タイ人にそばが受け入れられるか否か」については、まずますの手応えを感じています。当初、メインメニュー「さがみ膳(多品種盛り)」に人気が集中していましたが、タイ人の中で「そばの美味しいお店」との認知度が上がり、他の定食メニューやそば単品メニューのオーダーが増えています。最近はそばだけ単品で注文し、汁まで飲み干されるお客さんもいらっしゃいます。引き続き、この流れを維持し拡大に努めていきたいです。
【Q】知名度向上のために実施された施策を教えて下さい。
グランドオープン時にはタイの人気俳優や日本の芸能人を呼び、盛大なオープニングイベントを行いました。そのため、集客はとてもよかったです。
また継続的には、タイでも人気の観光地である北海道のイメージを打ち出した店舗作りや、北海道ツアーがあたるキャンペーンなど、日本らしさを前面に出したイベントを開催しています。
【Q】従業員教育のコツや店舗運営の課題を教えて下さい。
従業員教育では、信頼できる核となるタイ人スタッフを育成し、そのスタッフを通じて他のスタッフの教育を行なっています。日本人から全タイ人スタッフへの教育・指導では、言葉の問題や異文化間コミュニケーションの難しさがありますので、核になるスタッフに任せています。
言葉の壁は現在でも一番の課題です。従業員教育だけでなく、地場企業の取引先と関係を作る上でも、言葉の問題で「自分達の”想い”がきちんと伝わっているのか?」「意図することがきちんと通じているのか?」など不安要素は大きいです。
【Q】今後の展望についてお聞かせください。
「そばを海外に広める」、「”No.1 Noodle Restaurant Company”を目指す」というサガミのビジョンがあり、早々にタイ2号店、3号店と拡げていきたいです。もちろんタイにとどまらず、他のアセアン諸国への進出も目指しています。
タイで和食屋「サガミチェーン」の展開を手がける。
企業名(現地企業名、アルファベット):BANGKOK SAGAMI CO., LTD.
本社所在地(タイ住所): 20/110 Soi Prommitr (Sukhumvit 49) Khlongtan Nuea Watthana
Bangkok 10110 Thailand
店舗数:1 従業員数:店舗28名、オフィス2名、日本人2名
お話:今村光佑 Manager
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