海外食生活レポート

和食ブームから年々需要が伸びるタイ産日本米(タイ)

Borwornluk Maingam(ボーウォンラック・マイングァム)  2014年05月15日

タイでの日本食人気の高まりとともに、日本米が知られるようになってきました。加えて漫画や雑誌など、様々な分野の日本文化がタイに入ってきていることも後押しとなっています。

そもそも、タイ人にとって日本食の使用食材、調理作法、調理工程などは、特別なものと捉えられています。さらに、ヘルシーかつ美味しいというのも、和食ブームの起きた大きな理由になっています。日本米についても、日本料理スタイルの一部という認識が強いように感じます。米文化のタイにとっては馴染みのある食材ですが、見た目、食感・味は比較してみると「似て非なるもの」とも言えます。

タイのスーパーでは現地で生産されたタイ米と
日本米が一緒に陳列されています。

まず見た目ですが、日本米はタイ米に比べ短く、より丸みを帯びています。一方でタイ米は長細く、丸みがないのが特徴です。

続いて食感についてですが、日本米はタイ米に比べより「しっとり感(高水分)」があり粘り気があります。また、米本来の性質が違うのもありますが、タイ米の調理方法の違いも理由として挙げられます。タイではお米は、少な目の水で炊くからです。さらに味は日本米のほうが甘みが強く、タイ米は甘みは少ないですが、その分高級米になれば独特の香りが強いように感じます。

ご説明した通り、日本米とタイ米では、炊飯後の質の違いもあり、ご飯を食べる際に使用する食器も異なります。日本米の場合、寿司は別として大抵の日本料理では箸を使用しますが、タイ米は粘り気が少なくパサパサしているため箸では掴みにくいので、スプーンやフォーク、一部地域によっては手を使用して食べます。また、日本米の場合、水分吸収力が高いため他の食材や汁物と上手く調和することなどから、握り寿司のような料理が生まれたのではないかと考えられます。

いろいろな相違点はありますが、多くのタイ人に日本米が受けられていることは事実です。和食人気や和食レストランの増加が、日本米が受けていることを裏付けているように感じます。

さらに日本米の需要の高さは消費だけでなく、生産現場でも言えることがあります。チェンライ、チェンマイ、ランプーンやパヤオなどのタイ北部では、ここ数年で日本米が多く生産されているからです。北部地域の気候も手伝ってか、数種類の日本米作りが行なわれています。

日本米の生産はタイ米に比べ、より管理(スケジュール、施肥等)が厳しくなるなど、手間隙はかかりますが、高値で取引きされることや、タイ国内のみならず台湾や韓国への輸出対象になることから、日本米を作りには大きなメリットがあるのです。

ちなみにバンコク市内の高級デパートでの米価格ですが、1kgあたりに換算すると、以下のような価格帯になっています。

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タイ産のササニシキ

タイ米:THB20~60(63~190円)
タイ米”香り米”(香りの強い高級米):THB35~50(110~158円)
タイ産日本米:THB28~75(88~237円)

タイの経済紙「パチャチャ・トゥラキット紙」の電子版記事によりますと、タイにおける日本米の年生産量は10千トンほどあり、年々増えているとのことです。2012年のタイ全体の米生産量が20,750千トンとのことなので、内約0.05%が日本米と言えます。世界第6位の米生産国での0.05%ですから、その数値には大きなインパクトがありますね。

日本からの輸入米とともに日本食も入ってきましたが、今では日本米は、タイで栽培する食材の一つであり、輸出品にもなっているのです。プラスして、タイ国内では食用だけにとどまらず、タイ米に比べビタミンEが4倍も多く含まれていることなどから、石鹸や美容液などの美容製品にも使われています。

日本米は消費者のみならず生産者にも注目され、かつタイの生活に深く浸透しつつあると言えるのではないでしょうか。

執筆者プロフィール

Borwornluk Maingam(ボーウォンラック・マイングァム) 

ニックネームはTai(タイ)。バンコクで日系商社に勤める、26歳の独身女性。
趣味は、自宅で漫画やネットサーフィンを楽しむこと。ナンプラー(魚醤)が大好きで、ありとあらゆる料理にかける生粋のタイ女性。

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