企業インタビュー
2013年12月10日
地元台湾はもちろん、観光にきた日本人や韓国人も多く訪れるという、人気のマンゴーかき氷カフェ「Mango ChaCha」様。今回はこちらの董事長をされている張智閔様に、台湾の食習慣、さらには進出をご検討中の外食企業様なら気になる、台湾人が求める飲食店の接客術についてお聞きしました!
【Q】お店を開業したきっかけをお教えください。
元々、台湾のマンゴーかき氷は1980~1990年頃より知名度が確立され、台湾で一般的に食べられるようになりました。私がこの「Mango ChaCha」をオープンした2008年には、すでに人気のスイーツとして浸透していました。
「Mango ChaCha」設立の経緯としては、親戚のおじさんがマンゴー農園でマンゴー栽培をしていて、日本と韓国へマンゴーの輸出をしていたことがきっかけでした。おじさんのように、私もマンゴーを主役としたマーケティングをしたいと思うようになったんです。そこで、マンゴーを用いたかき氷の専門店を開業しようと思いつきました。
また、かき氷というと夏の食べ物というイメージがありますが、夏だけでなく1年を通して、常においしいマンゴーを味わってもらえる専門店を提供したいとも考えていました。
【Q】利用されているマンゴーや、メニューのこだわりはありますか?
一番のこだわりは、日本にも輸出している台湾産A1クラスのアップルマンゴーを使用していることです。このアップルマンゴーは、糖度が12~15度という、口の中で溶けるような甘さが特徴です。
そのため、かき氷にはシュガーシロップや練乳などは加えず、マンゴーそのものの甘みを活かしたメニューに仕上げました。余計な甘味料は使用していないので、低カロリーで健康的なのもメニューの売りです。
また、より一層マンゴーの甘みを感じていただけるように、塩をふることで、甘みを引き出す食べ方もご提案しています。
【Q】お客様はどのような客層が多いですか?
子供からお年寄りまで、多くのお客様にいらしていただいています。カップルやご夫婦、家族連れでお越しになる方が多いですね。
地元客に次いで観光客の方もとても多いです。その中でも、本店とSOGO店では、観光客のうちの約30%が日本人です。旅行雑誌を持って食べにきてくださる方ばかり。リピーターの方もいらっしゃるので、嬉しい限りです。
最近では、韓国のお客様も増加しています。韓国のお客様は、マンゴーに興味があるだけでなく、韓国の芸能人の少女時代やスーパージュニアなど、有名アイドルグループのブログで当店が掲載されていたのを見て来店されています。
【Q】通常の台湾のマンゴーかき氷は120~150元程度ですが、「Mango ChaCha」のかき氷は200元以上とやや高めな気がします。このような価格帯のスイーツ店やカフェが流行っている理由についてどうお考えですか?
1年を通じて高品質のA1クラスのマンゴーを提供するのでどうしても原価は高くなってしまいます。
しかし、値段に相応しい、あるいはそれ以上の対価があればお客様は満足してくださいます。高いお金を払ってでも、おいしいものを食べたいという台湾人のニーズに合っている店舗が流行しているのではないでしょうか。
【Q】台湾において商売がうまくいくポイントや注意点があれば、お教えください。
台湾人は、「呷飽沒?〔台湾語:〔発音〕チャパーベー〕=ご飯食べた?」とあいさつをするぐらい食べることに対するこだわりがあると言われています。そのため、台湾で繁盛店を作るにあたり、一番重要となるのは、使用する食材へのこだわりだと思っています。
安心・安全な食材であるというのももちろんですし、高品質な食材を使用するというのも、台湾人に受ける大きなポイントです。
当店としては、台湾最高級のおいしさをマンゴー好きなお客樣と共有したい、新鮮で健康的なマンゴーを食べてもらいたいという思いがあります。ちょうど、その思いが成功のポイントと合致したことで、商売がうまくいったのかもしれませんね。
また、いろいろなことを手広くやるのではなく、何か一つ特徴のある食材やメニューに特化して専門店として経営するとうまくいくのではないでしょうか。来店して喜んでくださったお客様がお友達に伝え、観光で当店にいらした日本人のお客様は、Facebookでチェックインしたりしてくれている。こういった宣伝はとても光栄ですし、観光客向けの商売がうまくいくポイントでもあると思います。
【Q】台湾の方々の食習慣の特徴についてお聞かせください。
台湾人は食べることを大切にしています。おなかがいっぱいになることが重要なので、量の多いものを好みます。
そして夜食を食べる習慣もあります。そのため、夜の11時や12時になっても来店するお客様は絶えません。火鍋を食べた後に立ち寄っていただくお客様もいらっしゃいますよ。
【Q】従業員の採用や指導で、気をつけていることはございますか?
肉厚で甘みの強い最高級マンゴーを使用
採用面接の際は、まずマンゴーが好きか必ず質問します。従業員はマンゴー好きな人だけ!としないと、お客様にマンゴーのおいしさをお伝えすることができないからです。
また、従業員を採用した後は、始めの三ヶ月間はホールでの接客を経験してもらうようにしています。お客様にマンゴーの特徴やメニューについて紹介することを実践させています。
すると、ほとんどの従業員が、その後はお客様の好みや気分、来店する前に食べてきたものに合わせてメニューを紹介できるように成長します。そして、自分達のかき氷への情熱を伝えることができるようになったら、かき氷作りの訓練が始まります。速く繊細な動きが必要なため、かき氷作りはプレッシャーのある難しい仕事なのです。
2008年に台湾で設立。台湾の代表的なフルーツであるマンゴーのスイーツ専門店「芒果恰恰冰館 Mango ChaCha(マンゴーチャチャ)」を経営している。店舗は台湾内で5店舗、海外で4店舗を営業中。来年2014年には、日本一号店をオープン予定。台湾マンゴーの出荷時期は夏季(5~9月くらい)だが、1年中おいしいマンゴーを使ったスイーツや商品を提供すると大人気。
企業名:芒果恰恰有限公司
本社所在地:台北市大安区光復南路562號1樓
店舗数:〔2013年店舗数 9店舗〕台湾 5店舗、クアラルンプール 1店舗、ソウル1店舗、中国青島1店舗、中国深圳1店舗
〔2014年出店予定 6店舗〕香港3月1店舗、中国広州5月1店舗、日本東京4月1店舗、ソウル3店舗
業種:外食 従業員数:55名(うちアルバイト32名)
取材担当者様氏名:董事長(芒果長) 張智閔 様
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