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景品表示法の違反事例。2022年8月~2023年7月まとめ

2023年09月19日

景品表示法の違反事例。2022年8月~2023年7月まとめ

近年、InstagramなどのSNSを用いたPRを行っている飲食店や食品メーカーも多いだろう。広告を出稿する際に気を付けたいのが景品表示法への違反だ。

今回は2022年8月~2023年7月までの1年間で、食品に関する景品表示法の違反事例をまとめた。商品をこれからPRしようとしている企業は、知らぬ間に違反表示してしまわないよう、注意しよう。

関連記事:繰り返される景品表示法違反。2018年1月~2020年8月の違反事例

関連記事:知らずに違反しているかも?2021年1月~2022年7月の違反事例

健康や美容に関する合理性のない情報が違反対象に多い傾向にある

2022年8月~2023年7月に発生した違反内容では、食べるだけで健康や美容に効果があると謳った商品が散見された。加えて2021年から2022年7月までに起きた違反事例と同様の事例が違反対象になっているものもある。

媒体としては、ホームページなどのWebやSNS広告などを用いた事例が多く、簡単に投稿できる反面、投稿文の内容次第では自社の信頼を損なうリスクが十分にあることを忘れてはいけない。

2022年8月から2023年7月の景表法違反事例一覧

2022年8月から2023年7月までに発生した食品に関する景品表示法の違反事例は、大きく分けて品質や規格の不当表示に関わる「優良誤認」と販売価格や期間などの取引条件に関わる「有利誤認」の2種類がある。その内容を紹介していく。

参考:消費者庁「景品表示法関連報道発表資料 2023年度

優良誤認(品質や規格に関する不当表示)

商品・サービス表示内容実情行政処分
サプリメント ・「『ビタミン D』と『亜鉛』は、ともに新型コロナウイルス感染時の重症化を防ぐ可能性が研究報告されており、いま注目されている栄養素です」など
・商品を摂取することで、新型コロナウイルスの感染や重症化の予防効果があるかのように表示していた
当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料が得られなかった 措置命令
(行為の撤回、再発の防止を命じる行政処分)
食品 ・「厳選マスクメロン」
・「100% MELON TASTE」など
原材料の大部分がメロンの果汁であるかのような表示をしていたが、メロンの果汁は2パーセント程度しか入っていなかった 措置命令
カトラリー、ストロー、カップ等 ・「燃やさなくとも土中に埋めるだけで処理が可能」など
・環境に配慮した製品であるとHPなどで公表していた
裏付けとなる資料の提出を求めたが期間内に提出されなかった 販売事業者2社に対して措置命令
健康食品 ・「珪素 は体内に入ると優れた浸透力によって毛細血管に入り血管内に蓄積された脂肪分を浄化排出します」など 裏付けとなる資料の提出を求めたが期間内に提出されなかった 課徴金納付命令
2,464万円
サプリメント ・「バスト育ちすぎてヤバい!?」など 裏付けとなる資料の提出を求めたが期間内に提出されなかった 課徴金納付命令
1,944万円
サプリメント ・「糖鎖+PSで脳を活性化! 認知症のリスクを軽減します」など。 提出資料が提出該当商品の表示内容の裏付けとなる根拠として認められなかった 課徴金納付命令
358万円

 

有利誤認(販売価格や期間など、取引条件に関する不当表示)

商品・サービス表示内容実情行政処分
食品(ピザ) デリバリーMサイズ
2,879円など
実際にはサービス料金が加算されて3,080円 措置命令

 

景品表示法に違反しないためには複数名による確認を

インターネットを通じた宣伝は、事業者自身で商品の魅力を発信できる利点があるが、発信する前に内容を慎重に吟味する必要がある。たとえ気軽に投稿・削除できるSNS上での宣伝であっても、情報発信する前に投稿内容のエビデンス(客観的証拠)をチェックする体制を整えるなどして、景品表示法に違反しない情報かどうか確認するべきだ。

景品表示法に違反すると措置命令や罰則金が課せられるだけでなく、事業者の名前も公表されてしまうことから、信用問題にも大きく関わる。消費者に安心して商品を購入してもらうためにも正確な情報を発信しよう。

参考:消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?

BtoBプラットフォーム規格書

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