業界動向

食品卸の2022年展示会からさぐる食・業界トレンド~SDGs・付加価値・内食~

2022年08月29日

食品卸の2022年展示会からさぐる食・業界トレンド~SDGs・付加価値・家食~

三菱食品、三井食品、日本アクセスなどの食品卸は、外食企業や食品メーカーなどの事業者向けに展示会を定期的に開催し、企業マッチングを支援している。

2022年に開催された展示会は、「SDGs」「付加価値」「内食」などのトレンドが見られ、コロナ禍や超高齢化社会などの社会変化が大きく影響しているとうかがえる。各社が掲げた展示会テーマと内容から、今後の食品卸業界や食のトレンドを探っていこう。

食品卸企業が2022年に主催した展示会のトレンド

2022年に開催された主な食品卸主催の展示会を紹介する。

開催企業・展示会開催月・エリア展示会テーマ・特徴
三菱食品
ダイヤモンドフェア2022
2022年7月
(東京)
・「食で創造する、持続可能な社会」を基に「さあ、次の一手。」をメインメッセージとした企画展示
日本アクセス
春季 Food convention 2022、エリア展示会
2022年2月
(九州・中四国・中部)
・外食向けに代替食品や冷凍ミールキットを使用したテイクアウト商品、カトラリー(食べられる容器)でサステナビリティを提案
・地方創生・地域産業活性化への取組み・支援活動として、五島列島などの離島プロジェクト、北海道物産展、沖縄物産展、四国・中国地方などの地域物産のほか、全国の駅弁、菓子、チルト商品を展示
・食糧不足を見据え、自社開発のプラントベースフード提案
・小売店・消費者向けに開発したカット済みの食材や調味料をセットにした「ストックキッチン」を展示し、食品ロス削減を提案
・自社のSDGs活動、フードバンクへの寄贈紹介
三井食品
三井食品フードショー2022
2022年7月
(神奈川)
・『明日(みらい)をつくる 食のチカラ』をテーマに掲出
・エシカル消費に対応した企画や製品として「玄米粉を使用したオリジナルスイーツ」「健康に配慮した冷凍の幼児食」「国産原料、保存料・着色料不使用の冷凍・冷蔵のペットフード」など展示
・オリジナル新商品「ハートフル畑カレーうどん」「築地銀だこ」「ファッツェルチョコレート」「広島ハイボール濃いめ」など提案
伊藤忠食品
Food wave オンライン2022 春夏
2022年1〜3月
(オンライン・愛知県)
・デジタルサイネージ「DELISH KITCHEN」の活用として「売る仕掛け」「伝わる仕掛け」「買いたくなる仕掛け」について動画コンテンツの魅力や売場活用事例を提案
・高鮮度商品の売場展開
・とれたて、できたてを再現する液体急速凍結機「凍眠」による、簡便調理、生産者・地方創生支援、フードロス削減に貢献
・WEB展示会を開設しリアル会場(東海営業本部総合食品展示会)の動画を配信
 
ヤマエ久野
ヤマエ久野グループ総合展示商談会
2022年1月
(福岡)
・新たなニューノーマル「新食生活様式をめざして!」をテーマに掲出
・健康食として自然食品、発酵食品、糖質オフ、乳酸菌、食物繊維などの商品を展示
・九州地域食品として小さいけれど良い商品を作り、頑張っている、地域の企業、商品を加工食品などの部門ごとに紹介
・「家食を簡単に!」「家食を楽しむ!」を掲げ、朝食や昼食を家で食べる機会が増えたことによる関連商品の提案と、手作り素材、本物志向、お店の味を自宅でなど非日常の食ニーズに対応した提案
尾家産業
2022年秋季提案会
2022年8〜9月
(全国10会場)
・トータルテーマとして「ポジティブ」を掲出
・特別企画「メニュー単価UP大作戦!」として、いつものメニューにちょい足し、置き換えて高付加価値メニューに変え、メニュー単価アップと消費者の心も動かすメニューを提案
・特別企画「背徳グルメ」として、店舗の看板メニューになるような、思わず目を引くデカ映えメニューなど背徳感たっぷりのメニューを紹介。
食べたいものを食べて、心を元気にするストレス発散メニューをご提案
・「選べる!尾家の○○定食」をテーマに簡単オペレーションでできる栄養面等に配慮した定食メニュー(主菜、副菜、汁物)を提案
・おせちコーナーを設置し、2023年おせち、魅力あるおせち商材、やさしいおせちを提案
関東食糧、カワカミ、山本水産、関東食糧協力会
ニューフードフェア2022
2022年5月
(オンライン・埼玉)
・展示会テーマとして下記3点を掲出
Re:Start!新し日常へ~食べて、飲んで、笑顔で、生きる~
明るい未来に向かって、笑顔のある食空間へ →テイクアウト、デリバリーなどの業態転換、グローサラント(店内物販)のご提案など
デジタルトランスフォーメーション(DX)対応 →飲食店向け配膳ロボット、アプリ等のIT活用ご提案や当展示会の入場システム構築
・「アフターコロナの新飲食店経営スタイル」をテーマのセミナー開催
・展示会の様子をYoutubeチャンネルで配信

トレンドは「SDGs」「付加価値」「内食」

食品卸業界の展示会の内容を見ると、コロナ禍や海洋プラスチックごみの減量など社会情勢を反映したテーマが多く掲げられていた。展示会のキーワードとして挙げられていた「SDGs」「付加価値」「内食」などについて解説する。

食べられる食器で脱プラスチック

日本アクセス主催の展示会では、SDGsに関する取り組みとして、代替食品や冷凍ミールキットを使用したテイクアウト商品などが提案された。その他にも、サステナブル商品として注目を集めている、食品で作られた「食べられる容器」を紹介し注目を集めた。

海洋プラスチックのごみ問題が問題視される中、新たなエコアイテムとして「食べられる食器」の新商品が数多く展開されている。使い捨ての食器を食べられる素材にすることでゴミの軽量化ができると新たな商品を開発する企業も多い。

最近では、エスプレッソやカフェラテなどを注いで、飲み終わった後に食べられるデミタスカップ型の器「Ecopresso」や、国産野菜で作った食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」、耐水性のある“ばれいしょでんぷん”を用いた「e-tray(イートレイ)」などが販売されている。

「付加価値」で差別化・高単価につなげる

商品価値を上げた価格戦略をとるため、地方企業の商品開発ストーリーや健康配慮を取り入れるトレンドは引き続き見られた。尾家産業が8月から9月に開催する「2022年秋季提案会」では、外食で「ちょい足し」することで客単価向上の提案をするほか、病院、高齢者施設、外食、給食向けに、美味しく、簡単なオペレーションで作れる「やさしいメニュー」を展示していく予定だ。病院や高齢者施設など向けに栄養バランスの整った食事の提供や、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防のために商品開発を進めてきたという。

また「三井食品フードショー2022」でも、「玄米粉を使用したオリジナルスイーツ」や、「健康に配慮した冷凍の幼児食」などが展示された。今後も巣ごもり生活はしばらく続くことから、誰でも手早く簡単に健康的な食事を調理できる食品の需要は高まるだろう。

コロナ禍で増える内食需要に対応

ヤマエグループは、コロナ禍の影響で朝食、昼食を自宅でとる消費者が増えたことに焦点を当て、時短・簡便調理品などの商品提案や、自宅で飲酒を楽しむためのおつまみや珍味を紹介した。感染症リスクを避けようと自宅でお酒を楽しむ「宅飲み」が定着し、外食する代わりに自宅でちょっと贅沢な気分を味わいたい人も多くいる。

広島の食品卸・中村角株式会社は7月に開いた「プレゼンテーション2022秋冬」にて「おとなのおやつ」をテーマに様々なメニューを展示した。アルコール飲料に合わせた料理を提案するとともに、同社が開発を手がける地元食材を使ったオリジナル商品の試食会も行った。

最先端の食のトレンドが知れる展示会

食のトレンドが反映される食品卸の展示会。コロナとの共生を考える中で、2022年は、自宅でお酒を楽しむ「宅飲み」や、健康的な食事が時短で作れる商品などが多く展示されていた。

コロナ禍以外にも、今後さらに深刻化する環境問題に関しても、脱プラスチックに向けた商品の開発が進んでいる。

また、食品卸の展示会はアフターコロナの飲食店の経営スタイルに関してのセミナーや来場者同士が情報交換する場としても活用されているため、最先端の食のトレンドを知るヒントをつかんでほしい。


食品・飲料メーカーのSDGs取り組み事例

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