業界動向
2020年11月20日
新型コロナウイルスの影響で外食・宿泊業の不振が続く中、それらを取引先とする食品卸売業や製造業などにも余波が広がっている。
インフォマートが食品卸・製造業206名を対象にしたアンケート調査では、売掛金未回収の不安は全業界の平均より高い割合となった。今、どのような対策がされているのか調査結果をもとに見ていこう。
[アンケート調査概要]
調査対象:インフォマートのサービスを利用する食品卸売業、食品製造業など206名
調査方法:ウェブアンケート調査
調査期間:2020年8月25日~9月18日
帝国データバンクの発表(2020年10月)によると新型コロナウイルスによる関連倒産で最も多い業種が飲食店、次いでホテル・旅館であった。このような業種の取引事業者も、取引額の減少が波及している状況だ。
食品卸・製造業などを対象にした売掛金回収リスクに関するアンケート調査の結果では、取引先の資金繰り状況、売掛金の回収に不安を感じている企業が8割近いにもかかわらず、特に対策を取っていない割合が6割を占めた。
この背景には2つの要因があると考えられる。ひとつは、取引先の外食・宿泊業が特に資金的ダメージを受けているため、現金支払いなどの確実な決済を求めても応じてもらえないこと。もうひとつが、金融事業者による保証サービスが一般的に利用されていないことだ。
リスク対策のサービスは売掛金の保証や、未回収となった場合の保険金支払い、未払い請求書などの売掛債権を買い取ってもらい早期現金化するものなどがある。しかしいずれも手続きの手間や少額取引は対象外となること、期待したほど保証額がないなどの不満がアンケート結果からうかがえる。
コロナショックの長期化により、特に中小企業の経営者にとって今後は売掛金回収や貸し倒れのリスクが伴い続けることになる。早々に対策を練る必要があるだろう。
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