企業インタビュー
2019年06月13日
『ピエトロドレッシング』は約40年前、福岡・天神でパスタ専門店『洋麺屋ピエトロ』が提供していたサラダのドレッシングが原点。いまや約800億円弱のドレッシング市場で業界3位につける、株式会社ピエトロ(以下ピエトロ)の看板商品だ。
当時の味を伝える『ピエトロドレッシング 和風しょうゆ』は、ヘルシー志向のライトタイプなどのバリエーションを増やしながら、醤油系フレーバーでゆるぎない地位を築いてきた。また近年では、非醤油系の開発にも取り組み、著しい成長を見せている商品もあるという。
市場上位の流通量でありながら、ピエトロドレッシングは巨大なタンクを使って一度に大量生産しているわけではない。厨房で使われる50リットルの寸胴鍋を使った「少しずつをたくさん」と表現する製法をとっている。
ベストセラー『ピエトロドレッシング 和風しょうゆ』
“オレンジキャップ”の愛称をもつ
1日に約2万個使用する原材料の国産玉ねぎも、すべて人の手でカット。中に傷みがないかひとつずつチェックし、下ごしらえする。
広報担当の岸本由樹子氏によると、ピエトロでは工場を「大きな厨房」と位置づけているという。
「弊社の創業社長、故・村田邦彦は、小さなレストランを一代で全国規模の企業に成長させました。“レストラン生まれ”がピエトロドレッシングのアイデンティティです。オートメーション化や大量生産をしないからこそ、変わらない美味しさをお客様にお届けできます。
1日約2万個の玉ねぎが人の手でカットされる
寸胴鍋ひとつから作られるドレッシングは、280ミリリットルボトル換算で170本ほどです。なお、製造工程で加熱処理をしないため開栓前賞味期限が短いのも特徴です。
一般的なドレッシングは6~8ヶ月ほどですが、ピエトロドレッシングは、3ヶ月しかありません。厨房手づくりの味を、作りたての風味のまま、味わっていただきたいのです」
非加熱の製法へのこだわりについて、ブランディング部の商品開発担当、村田祥子主任は語る。
「加熱すると日持ちする一方、酵母や旨みが損なわれ、風味は飛んでしまいます。非加熱・無添加で作りたての美味しさを3ヶ月間、いかに保ち続けるかが、毎回、商品開発で苦労するところです」(村田主任)
次のページ: プレミアム商品を流通商品化。しかし材料調達に課題が
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