ヒット商品の舞台裏

売上ゼロから再出発した『こてっちゃん』が、味付け牛もつ加工品の売上トップに復活するまで~エスフーズ株式会社

2018年01月31日

エスフーズ「こてっちゃん」

看板商品とは、文字通りその企業にとっての顔。時に企業名より商品名の方が認知度の高いこともある。エスフーズ株式会社の「こてっちゃん」はその一例といえるだろう。

ホルモン料理を家庭の食卓に浸透させた立役者として圧倒的な知名度を誇り、今も味付け牛もつ加工品としては国内売上トップシェアである。だがその歴史には、BSE問題で販売ゼロまで落ちたこともあったという。四半世紀を超えるベストセラー商品のあゆみを、エスフーズ株式会社のマーケティング部製品開発室、日下大輔さんに伺った。

家庭向けホルモン料理の先駆け。着目したのは不要部位

「『こてっちゃん』が誕生したのは今から36年前の1982年です。エスフーズの前身であるスタミナ株式会社の当時の主力事業は、オーストラリアやアメリカから焼肉材料を仕入れる卸売でした。仕入れの中心になる部位はハラミやミノなどで、牛の小腸はアメリカでは食べる習慣がなく、不要部位とされていたんです。そこに着目したのが、こてっちゃん開発のきっかけになりました」

小腸は消化器官という特性上、解体後、時間が経つと腸内に残留した消化酵素で肉の分解がはじまってしまう。そのため、現地ですみやかに洗浄しボイル・冷凍処理をする必要がある。当然、工場は専用の設備を導入しなければならないし、仕入れ企業には導入に見合う購買量が求められるため、日本の企業はそれまでほとんどいなかった。長年の取引でアメリカのパッカー(食肉用の家畜を肉と内臓に解体し、加工・卸売までを行う精肉業者)の協力が得られたのがエスフーズの強みになったのだ。

当時の日本では、畜産副生産物、バラエティミートと呼ばれる家畜の内臓は、食材として今ほど一般的ではなく、原料もメインは豚だった。そのイメージもさほど良いものではなかったという。

こてっちゃんどんぶり

「ホルモン焼きやもつ煮といった料理は、肉体労働で疲れた人がスタミナをつけるためにガード下や屋台で食べるもので、家庭の味ではなかったんです。牛の小腸ともなれば、外食でもあまり馴染みはありませんでした」

エスフーズは家庭での調理用として、商品開発に取り組んだ。牛小腸にポテンシャルを見出し、これまでにないものを作ろうとしたのだ。当初は煮込み料理を想定していたが、肉屋などで試作品の試食を繰り返し消費者の声を集めていく過程で、炒めた方がいいのではという意見を得る。甘辛い味噌味で炒めて作ると評判が良かった。これが、こてっちゃんの原型となる。

商品化されたこてっちゃんは、スーパーの精肉売り場や肉屋での試食販売などを通じて少しずつ広まっていった。ポイントになったのはネーミングだったという。


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