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食品業界で進む、賞味期限の年月表示化。切り替えの課題とメリット

2018年01月09日

また、小売業にとってもメリットは少なくない。品出し作業は日付順に並べる必要がなくなり効率化するし、店頭での期限確認作業も軽減される。また、日付で並んでいると消費者は新しい日付のものを選びがちだ。そのために古い日付が売れ残るといったことも、年月表示なら発生しにくい。

賞味期限の年月表示化の流れを生んだきっかけの1つに、2011年に発生した東日本大震災があるという。

「水は賞味期限が1日過ぎたからといって飲めなくなることはありません。被災地などで水不足が取りざたされ、多くの水を届けなければならない時に、年月日表示による廃棄などの課題が顕在化したのです。以前から年月表示への変更の議論はありましたが、震災を機に高まりました。そして、2013年5月から2リットル入りの水で賞味期限の年月表示への切り替えが始まり、その後コーヒーなどの飲料にも広がっていったのです」

食品ロスや物流コストも削減でき、在庫管理などの業務の効率化にもつながる年月表示化。だが、積極的な切り替えが現状では大手中心となっているのはなぜだろうか。

「メーカーは賞味期限表示を印字する機械の変更などの設備投資、パッケージ変更などの負担があります。また、これまで賞味期限の年月日で製造ロット管理を行っていた場合、なんらかの形でトレーサビリティーを確保しておかなければなりません。例えば、消費者や流通業者がわかるように、ロットが絞りこめるような記号などを年月表示の他に刻印する必要があるでしょう。

小売でいえば、切り替えにともなって年月日と年月表示が混在するのは避けたいというケースはあるようです。在庫で年月表示のものがある場合、それを引き取ってもらってからでないと逆に管理が大変になってしまいます。また、消費者へのしっかりとした説明もしなければなりません」

また、単純に年月表示に切り替えてしまうと、例えば賞味期限が年月日表示で2017年12月25日の商品は、年月表示では2017年11月になる。2017年12月では、賞味期限を過ぎてしまうため、最大1ヶ月近く賞味期限が短縮されてしまうのだ。このままでは現状よりも出荷可能な期限が厳しくなってしまう可能性がある。

そのため、品質の確認をしたうえで賞味期限を1カ月延長し、上記の例でいえば2017年12月と表示できるようにする必要がある。

年月表示化へメーカーの取り組み

では、実際に自社商品の賞味期限を年月表示に切り替えたメーカーの取り組みについてみてみよう。お話を伺ったのは江崎グリコのグループ渉外部・田中弓雄さんである。


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