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近畿大学直伝! 養殖「泉南アナゴ」が即座に完売~ウナギと比べられてきた魚の過去・未来(後篇)

漆原 次郎(フリーランス記者)  2017年11月22日

12月、近大に預けていたアナゴたちが帰ってきた。岡田浦で育てたアナゴも多くが成長を遂げた。東氏らは「差」に注目したが、「期間が短かったこともあり、さほどありませんでした」と言う。

無事に育った“養殖第1期生”は、新生「泉南アナゴ」としてブランド化した。2017年2月、泉南市はふるさと納税返礼品として、養殖アナゴのタレ焼きと白焼き2種4尾を限定70セット用意。すぐに「完売」した。また、漁協開催の「日曜青空朝市」でもアナゴの天ぷらやアナゴの天丼として振る舞われた。

稚魚の獲得から製品の出荷までの1サイクルを完遂したことになる。「ふるさと納税の返礼品まで実現できたので、その点では成功かなという気はします。一方で、今後に生かすべき課題も見つかりました」。

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ふるさと納税の返礼品となった「泉南あなご」。 (撮影:東氏、写真提供:泉南市)

海水井戸を利用、エサには地元のウメ・ミカンも

2017年、岡田浦漁協は、2期目となるアナゴの養殖を始めた。養殖アナゴの数を3000〜4000匹と増やした。そして、1年目に得られた課題についても改善に向け、取り組む。

1期目の岡田浦でのアナゴの死亡率は約3割ほどだった。「普通なら、もう少し死亡率を下げられると聞きます」。死亡率の抑制を重要課題と認識する。

また、漁協の水槽では海水冷却装置を長期間、稼働したためコストがかさんだ。そこで、2期目では実験的に「海水井戸」を利用することにした。地下浸透している地底深くの海水をポンプで汲み上げ、これを水槽にかけ流すのだ。水温をチェックして、この方法が有効かを見定める。

執筆者プロフィール

漆原 次郎(フリーランス記者) 

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。
著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。

<記事提供:食の研究所
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