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近畿大学直伝! 養殖「泉南アナゴ」が即座に完売~ウナギと比べられてきた魚の過去・未来(後篇)

漆原 次郎(フリーランス記者)  2017年11月22日

「何時にエサやりをして、何時に掃除をしてといった日々のサイクルを一から学びました」。餌は、市販の養殖魚用の粒エサのほか、魚粉、魚油。それにビタミン剤などの栄養を混ぜ込んだ練りエサ、また、イワシを生餌として与える。

3月には漁協でキックオフセレモニーが開催された。まずは近大のアナゴ100匹を譲り受け、漁協の建屋内に置かれた真新しい水槽に放流した。「楽しみ半分、でも魚の養殖自体やったことがなかったので、自分たちにできるかなという不安も半分でした」。

4月になると、今度は大阪湾で獲った30グラムほどのアナゴの稚魚2000匹以上を水槽に入れて育て始めた。

その後、話題になったのは、養殖中のアナゴの一部を、近大富山実験場に「引越し」させたことだ。「近大に預けて、実験場で飼育したアナゴと、我々が漁協の水槽で育てたアナゴで、どんな差が出るかを見ようとしました」。

違いは水槽と海水だ。岡田浦漁協の水槽は四角くて、1基につき海水の容量は20トン。近大の水槽は円形で30トンと大きい。また、漁協は当然、大阪湾の海水を使い、近大は富山湾の海水を使う。近大では深層海水が使われ、夏場でも適温の摂氏23度を保てる。ただし、岡田浦漁協にも冷却装置があるので、水温の差はさほどない。

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(上)漁協内に設置されたアナゴ養殖用の水槽。
(下)水槽内のアナゴ。昼間はパイプ内で過ごしているが、人が手を叩くと一斉に飛び出してくる。

執筆者プロフィール

漆原 次郎(フリーランス記者) 

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。
著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。

<記事提供:食の研究所
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