ヒット商品の舞台裏

極洋の業務用水産加工品、後発でも売上2ケタ増にした商品開発の底力~だんどり上手

2017年04月21日

極洋の営業担当者が雑談で得た給食事業者の共通の悩みは、調理員の人手不足と、既存の切り身商品そのものへの不満だった。

極洋「だんどり上手」焼き魚調理例

「だんどり上手」焼き魚

「現場では、一度に数十~数百人単位の焼き魚などを調理しています。話をして分かったことは、人手不足で一人にかかる負担が大きくなる中、冷凍品の解凍が大きな手間となっていることでした。また、施設の喫食者にとって、魚メニューは残食率が高かったのです。飲食店ではできたてを食べられますが、給食では作ってから食べられるまで2,3時間経ってしまいます。このため魚は冷めてパサつき、生臭みが出ていたんです」

極洋では現場の不満に正面から向き合った。解凍不要で凍ったまま調理でき、冷めてもパサつかない保水効果を切り身に持たせる独自製法を開発し、特許を取得。魚の生臭みはショウガエキスを用いて解決し、さらに塩分を不使用とすることで塩分摂取量の制限も考慮。画期的な新商品「だんどり上手骨なし切身」はこうして生まれた。

「現場の方々がこれまで解決を諦めていた課題の掘り起こしから生まれたのが、『だんどり上手』です。その名の通り、忙しい調理場のお役に立てる商品を目指しました」

オリジナルキャラクター“だんどり~にゃ”の営業効果

商品発売と同時に、シリーズのオリジナルキャラクターとして、だんどり上手なネコ侍“だんどり~にゃ”を起用。コミュニケーション重視の営業を続けるうえでのキャラクター戦略は、企業名や商品を打ち出すよりも顧客との距離が縮められたという。

極洋「だんどり上手」ゆるキャラ だんどりーにゃ

だんどり上手なネコ侍 “だんどり~にゃ” グッズ

「我々極洋は、業務用問屋さんの間では名が知られていましたが、給食事業者の方々の認知度は低かったのです。また、販売戦略においてのキーマンである管理栄養士さんは女性が多い職業ということもあり、興味を持っていただくためにはキャラクターが必要だと考えました。猫の手も借りたいほど忙しい調理現場を助けるという意味で、猫にしようと。当社の女性社員が『だんどり上手』の会議中に落書きしたものが元になっているんですよ」

当時は業務用の冷凍食品業界でゆるキャラを起用した販促は珍しかったこともあり、“だんどり~にゃ”のおかげで営業活動がスムースになったそうだ。

「今までは極洋なんて会社は知らないと話が終わっていたことも、『あの猫ちゃんね』と少しずつ覚えていただけるようになったのです。“だんどり~にゃ”は商品パッケージやパンフレットにも登場するほか、クリアファイルやシールなどのオリジナルグッズも展開しています。グッズを渡す口実で現場へ行きやすくなり、会話も広がりました」

コミュニケーションの蓄積で得られた現場の不満は、次々と新商品の開発に活かされていった。魚種によって焼いた後に皮が反り返る、身が崩れるなどで見栄えが悪くなりロスが出てしまう課題を聞けば、結着剤による加工などで対応。極洋の商品を使うときれいに仕上がると好評を博し、認知度は向上していった。



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