ヒット商品の舞台裏

広告費なし・販路なしから年間売上30億円になった博多みやげ「めんべい」~株式会社山口油屋福太郎

2016年10月17日

「菓子ではなく鮮魚売り場に置いてもらえるよう、お店側にお願いしました。菓子売り場に並ぶ甘いお菓子と、海産物の旨味が凝縮された『めんべい』とでは明らかに需要が異なると考えたのです。最初はバイヤーさんに嫌がられましたが、いざ鮮魚売り場に置いてみると、『何でこんな所に、せんべいがあると?』というお客様の反応がとても多かったのです」

めんべいは口コミで広く知れわたってゆく。小売店側にとっても、商品と売り場のギャップに疑問と関心を抱いたお客と会話の糸口が生まれ、販売促進につながった。

「売り場でお客様に疑問を抱かせ、想像を巡らせていただく。このワンクッションが、とても重要でした。他とは違う発想を何かひとつでも持たなければ、ヒット商品は生まれないと考えています」

ヒットを支える地元民の支持

山口油屋福太郎_めんべい工場

福岡県田川郡に建設された添田町めんべい工場

ユニークな販促戦略で新商品を好調の波に乗せていった山口専務。その裏には、地元・博多での支持があってこそだった。

「先ほども少し触れましたが、博多っ子は味にうるさいんですよ。いつもと少しでも違う味であれば、クレームにつながります。めんべいは明太子の旨味が常に一定になるよう調整しています。手間も労力もかかりますが、丁寧な仕事をすれば、その分長く愛してくれるのも博多っ子の気質ですから」

博多の新しいみやげ物として定着した「めんべい」は、単に奇をてらって観光客の需要を狙ったのではない。博多っ子に愛されてこそ自慢できるという、地元メーカーとしての商品コンセプトがあったからこそだった。

「現在、めんべいの工場では長崎の鯛や沖縄のラフテー、シークヮサーなど、九州・沖縄の食材とコラボレートさせた『ご当地めんべい』も製造しており、生産ラインとの兼ね合いを見ながら拡張させていきます」

さらに今後は、バターで味付けした洋風のフレーバーや、観光地などでの食べ歩きの際にひときわ目立つステッキ型のめんべいなど、様々な新商品の構想もあるという。博多っ子の山口専務の頭には、まだまだ多彩なアイデアが巡っているようだ。

株式会社山口油屋福太郎

住所:福岡県福岡市南区五十川1-1-1
電話:092-475-7777
事業内容:辛子明太子の製造・販売、業務用食品・資材の販売、OEM開発業務
公式HP:http://www.fukutaro.co.jp/
お話:専務取締役山口勝子氏

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