企業インタビュー
2016年05月02日
フリーズドライ食品のパイオニアとして、みそ汁やたまごスープをはじめ様々な商品を世に送り出している業界最大手のアマノフーズ。2015年9月に業界初となるフリーズドライパスタ『三ツ星キッチン パスタシリーズ』をリリースし、4ヶ月間で75万食を売り上げた。お湯を注いで60秒で食べられ、味や食感、風味に至るまで満足度が高く評価されている。しかし、売上好調の秘訣は商品力だけではない。
アマノフーズがパスタの商品開発に目を向け成功を生み出した背景には、市場に対する冷静な分析と、そこから導き出されるニーズの的確な読みがあった。商品企画担当者の話をもとに、売れる商品の作り方に迫る。
アマノフーズ岡山工場
1971年にネギやエビのフリーズドライで業務用の即席麺具材を開発して以来、数々のヒット商品を生み出してきたアマノフーズ。1983年にはフリーズドライみそ汁で小売市場へ参入を果たした。その後、1991年に発売した「たまごスープ」で、たまごスープブームのきっかけを作るとともに、一般家庭における認知度を高めることとなった。現在はアサヒグループ食品となり、フリーズドライ事業のブランド名として継続している。
同社の人気シリーズとなったフリーズドライパスタの開発のきっかけについて、実際に企画開発を担当したアサヒグループ食品アマノ事業本部アマノマーケティング部の竹内龍平氏は、こう話す。
アサヒグループ食品株式会社
アマノ事業本部アマノマーケティング部
竹内龍平氏
「たまごスープの後は、お粥やにゅうめん、親子丼の素など、和食中心の商品開発をしてきました。しかしフリーズドライ食品は、みそ汁やスープ以外のカテゴリーではまだまだ世に知られていません。特に若い世代への浸透は、いまひとつのところがあります」
そこで竹内氏は、洋食をフリーズドライ食品として広めることで、若い世代にフリーズドライそのものへの興味を持ってもらいたいと思ったという。
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