ハラール食ビジネスの第一歩

食品メーカー編~イスラム圏への食品輸出とハラール認証。訪日ムスリムへの対応も

2016年03月30日

「コインチョコレートで有名なロック製菓(東京・千代田区)が、動物由来やアルコール由来の成分を添加しない仕様で製造し、ハラール認証を取得しました。認証を取得したチョコレート菓子はまだまだ少ないため、成田空港の土産品売り場で好評を得ています」

ハラール認証に頼らない方法

ここまでハラール認証を取得した例を紹介したが、認証を取らずにムスリム市場に参入する食品メーカーも出てきた。原料や製造方法をハラールに対応させ、ムスリム向けの情報開示を充実させる方法だ。

「審査を受ける費用がかからず、低コストで済むというメリットがあります。その代わり、正確な情報開示を行うことが重要です。一番大切なのは、その製品が何の原料でできていて、食べられるのかどうかを、直接ムスリムに判断してもらえるように、パッケージなどに記載することです。その方法としては、原材料表示を英語表記にすることがひとつ。併せて、ハラール以外の原材料は不使用であることを示す『ピクトグラム(絵文字)』を表示すると、ムスリムの方はより安心して選ぶことができます」

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ひと目でハラールとわかるように、
パッケージにピクトグラムを表示している

こうした手法で、ムスリムから土産品としての人気を集めるようになったのが、ラジーゼン国際食文化研究所(鹿児島県)が製造・販売する「サムライラーメン」である。豚骨や鶏ガラ、アルコール成分などノンハラール(ハラーム)の原材料を一切使用していない即席麺だ。パッケージに、豚、鳥、牛、酒のピクトグラムが表示され、その上に『×』印が付いている。ひと目でハラールと分かる仕様になっているというわけだ。

パッケージデザインには、原材料表示以外にも気をつけたいポイントがある。

「ASEAN諸国に進出しているキユーピーの場合、国内向けの製品とは一部デザインが異なります。お馴染みの“背中に羽の付いたキユーピー人形”ではなく、“羽のないキユーピー人形”にデザインを変更しています。偶像崇拝を禁じられているイスラム教徒から、“天使”と誤認される恐れがあるからです。製品本体だけでなく、パッケージデザインにもイスラム教の戒律に基づいた配慮が求められるということです」

そうした細かな対応については、各認証機関やハラール専門機関に相談するといいだろう。

「食分野では“メイド・イン・ジャパン”に対するムスリムの人気は根強いものがあり、とりわけインバウンド需要では、中小企業にもビジネスチャンスが広がっています。ですが、ハラール認証は、取得すればすぐに販売増に結びつく“魔法のマーク”ではありません。まずは、自社製品に需要があるかどうかの見極めもしながら、段階的に取り組んでいくといいと思います」

次回は訪日ムスリムを呼びこむ、飲食店でのハラール対応とその成功事例を取り上げる。

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