ハラール食ビジネスの第一歩

食品メーカー編~イスラム圏への食品輸出とハラール認証。訪日ムスリムへの対応も

2016年03月30日

食品メーカー編~イスラム圏への食品輸出とハラール認証。訪日ムスリムへの対応も

イスラム人口の多いASEANの発展と、訪日ムスリム(イスラム教徒)の増加から、新たな市場として注目されているハラールマーケット。前回の「基本編」では、ハラールの基本と、日本企業の対応状況を紹介した。今回は、ハラールに対応した製品づくりに取り組む食品メーカーの動きについて、基本編に引き続き、ハラールビジネスのコンサルティング事業を行う、一般社団法人ハラル・ジャパン協会の代表理事・佐久間朋宏氏に伺った。

ハラール認証制度とは

食品加工技術や流通が発達した現代では、消費者にとって目の前の商品がハラールかどうかを判別するのは難しい。そこで、第三者機関が審査し、「基準を満たしている」と保証するのが『ハラール認証制度』である。

「ハラール認証制度は、1960年頃にマレーシアで始まったとされています。原料から製造、流通を通じて、消費者が食品を手に取るまでがハラールであるべき、との考え方に基づいて、審査が行われます」

だが、このハラール認証は、世界的な統一基準がない。各国の認証制度により、ハラールの解釈が異なるためだ。また、イスラム教の宗派や宗教指導者、ムスリム個人によっても解釈は異なってくる。

「認証機関は各国ごとにあることが多く、進出・輸出先のハラール認証もしくは、その国が認めた第三国のハラール認証が必要になることがあります。以前は、相手国の現地の認証機関に、直接申請する必要がありましたが、現在では海外の認証機関から公認された、日本国内の宗教団体やNPO法人、民間企業が認証を行なうようになっています。海外の認証機関の場合は、英語または現地語での手続きが必要でしたが、国内の認証機関では日本語での対応が可能です。

現在、ハラール認証機関は世界に500以上あるといわれ、日本国内でも、当協会が確認しているだけで約20の認証機関があります。ハラールビジネスへの参入を検討する食品メーカーから、『どこの認証を取得すればいいか』とよく質問をいただきますが、最初に取り掛かるべきは、何を作り、どの国で、誰に売るのか、という経営方針や事業計画を決めることです。どの機関の認証を取得するかは、その後で検討した方がいいでしょう。また、製品によっては、ハラール認証が必要ない場合もあります」

ハラール認証を取得するには

認証機関により異なるが、申請から認証取得までの大まかな流れは、①申請書類の提出、②書類審査、③工場・製品の審査、④認証機関での審議、⑤認証取得・証明書の発行となる。

「各工程で実施される審査は、宗教と食品衛生の二つの側面から、それぞれの専門家が書類と実査(工場の視察)によって行ないます。認証に至るまでの期間は、認証機関にもよりますが、おおよそ半年から1年程度です。費用も認証機関や製品により変わってきますが、十数万から数十万ほどで取得できます。ただ、認証取得のために大規模な工場の整備が必要になる場合もあり、認証費用とは別に設備投資がかかることもあります」

ハラール認証の審査のポイントは4つある。

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