ヒット商品の舞台裏

ザクとうふの生みの親が新たに仕掛けた、型破りなF1層向け商品~マスカルポーネのようなナチュラルとうふ(相模屋食料株式会社)

2016年02月16日

相模屋食料の「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」使用料理

スーパーの売り場に並ぶ豆腐パックの数々。しかし、長らくの間その選択肢は大きく分ければ「木綿」か「絹」のふたつしかなかった。そこに新たな風を吹き込んだのが豆腐メーカーの最大手・相模屋食料株式会社が2014年8月に発売した「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」である。

F1層(20〜34歳の女性)にターゲットを絞り、ファッションショーで商品PRを行うという、これまでの豆腐からはいずれも常識外れの戦略を取ることで大ヒット。発売以来、すでに360万パックを売り上げている。

数年前には「ザクとうふ」でも業界で大きな話題を呼んだ同社に、伝統的な食品ジャンルにおいてヒット商品を作る秘訣について取材した。

「ターゲットを絞ると売れない」と言われ続けてきた豆腐

「他のあらゆる業界では、ターゲットを絞るのは当たり前のことですが、豆腐はむしろターゲットを絞ったものは売れないと言われ続けてきました」

「ザクとうふ」   ©創通・サンライズ

そう話すのは、相模屋食料株式会社・代表取締役社長の鳥越淳司氏。しかし、2012年に発売したある商品が、豆腐業界で古くから言われていたこの“常識”を覆すことになる。

それが、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する人型兵器「ザク」を模した、枝豆風味の「ザクとうふ」だ。

「私はガンダムが好きで自分のご褒美のために作ったので、正直、売れるか売れないかは重要ではありませんでした」

ところが、「ザクとうふ」は30代、40代のガンダムファンというニッチな層に刺さり、豆腐における空前のヒットとなる。鳥越氏はこのヒットをまぐれ当たりにはしなかった。

「『ザクとうふ』が売れたことで、改めて気づかされることがいくつもありました。まず、豆腐はものすごく裾野が広く、商品の認知度が高いということ。日本人なら誰もが食べたことがあり、しかも嫌いな人がほぼいないということを感じました。実際に市場規模は6000億円と言われ、とても大きい。けれど、あまり注目されてきませんでした」

相模屋食料株式会社 代表取締役社長 鳥越淳司氏

もうひとつの大きな発見は、ターゲットを絞っても売れるということだ。

「オールマイティーで、全方位オールレンジでなければならなかったお豆腐が、ニッチなところでヒットするんだ、セグメンテーションしていいんだ、と」

そこで考えたのがF1層をターゲットにした商品だった。

豆腐のイメージをおしゃれに覆す

鳥越氏は当初、F1層はあまり豆腐を食べないものと思っていたそうだが、実は彼女たちはダイエットや体型維持のために豆腐を食べていたのだ。

「大豆たんぱくが豊富でプロテインも豊富、でも糖質が低いという、豆腐の機能面だけがF1層には求められていました。それこそ、“我慢して食べるもの”という位置付けでした。そこで、それが突然すごくおいしくなったらどうか、と考えました」

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