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TPPが食品、外食業界に与える影響(後編)~企業の対策

進藤勇治(産業評論家)  2015年11月26日

TPPが食品、外食業界に与える影響(後編)~企業の対策

前編でご紹介した大筋合意の概要などから、TPPの導入により多くの農産品・食品で影響を受けることがお分かりいただけたと思います。後編ではこれを受けて企業が取るべき対策を、農業や外食、小売、卸売、食品製造業ごとに解説していきます。

TPPの影響を受けやすい主な輸出入品

よく知られているように日本は農産品の輸入が圧倒的に多い国です。TPPが発効されれば、重要5品目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源作物)以外にも様々な品目が影響を受けることになります。

特に影響を受けそうな品目として、日本と主なTPP参加国との農林水産物の輸出入品の中から、主要な品目とその金額を表1、2にまとめました。

(表1)日本からの主な輸出品と金額 (2014年農林水産省資料)単位:億円
輸出国輸出品目総額
米国 ホタテ貝 ぶり アルコール飲料 ソース混合調味料 真珠 932
140 84 63 53 37
ベトナム ホタテ貝 植木等 さば かつお・まぐろ類 いか 292
68 20 17 14 13
シンガポール アルコール飲料 小麦粉 ソース混合調味料 菓子(米菓を除く) 緑茶 189
18 12 10 8 8
オーストラリア 清涼飲料水 ソース混合調味料 アルコール飲料 醤油 ホタテ貝 94
19 14 9 5 4
カナダ ごま油 ゼラチン アルコール飲料 うんしゅうみかん ソース混合調味料 74
6 4 4 4 4

 

(表2)日本への主な輸入品と金額 (2014年農林水産省資料)単位:億円
輸入国輸入品目総額
米国 とうもろこし 豚肉 大豆 牛肉 小麦 18,505
3,443 1,557 1,220 1,219 1,061
カナダ 菜種(採油用) 製材・加工材 豚肉 小麦 大豆 5,777
1,256 850 820 673 302
オーストラリア 牛肉 木材チップ ナチュラルチーズ 小麦 大麦(麦芽を含む) 5,021
1,556 502 373 334 201
チリ さけ・ます 木材チップ アルコール飲料 豚肉 製材・加工材 2,664
1,186 464 204 146 119
マレーシア 合板 パーム油 カカオ脂 製材・加工材 切花 2,484
880 458 96 94 93
ベトナム えび 木材チップ えび調製品 コーヒー豆(生豆) いか(もんごう含む) 2,282
473 449 262 175 51

ここに掲載した品目の他、日本はメキシコから豚肉、ニュージーランドから乳製品などを輸入しています。輸出、輸入総額は共に年々増加傾向にあります。

業界への影響と対策

農畜産業

各業界への影響と対策として、まずは農業・畜産業をみていきましょう。TPPによって日本へ安価な農産物が輸入され、日本の農業は大きな打撃を受けるのではないかと心配されています。一方で、TPPによる関税の軽減と貿易制度の整備化で、日本からの輸出が増えると期待されている農産物もあります。つまり実際の影響の度合いは、品目ごとに大きく異なるのです。

執筆者プロフィール

進藤勇治(産業評論家) 

1951年愛媛県生まれ、東大卒、同大学院修了後、通産省入省。
マサチューセッツ工科大学客員研究員、通産省国際研究協力企画官、東京大学特任教授等を歴任。TPPや経済・産業問題、エネルギー問題に関する講演・執筆を行う他、企業の経営・技術指導やテレビに出演して解説等を行っている。

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