企業インタビュー
2015年10月14日
これまでにない味とパッケージで珍味のイメージを覆し、女性からの絶大な支持でヒットを飛ばしている商品がある。広島県尾道市の珍味メーカー・まるか食品株式会社が2013年12月に発売した「イカ天瀬戸内れもん味」だ。発売開始から約1年で出荷数100万袋を突破し、2015年9月現在では330万袋とその勢いはまだまだ留まるところを知らない。
尾道市の同社を訪ね、企画開発部課長として新商品開発に携わった坂本摩理さんに話を聞いた。
古くから海運物資の集散地として栄えた瀬戸内の港町、広島県尾道市。北前船の時代には、北海道の良質なスルメイカや昆布などの海産物が集まったという。昭和に入ると、スルメイカを揚げたスルメフライが盛んに作られた。それは安価な惣菜としてすぐに庶民に広まり、今日まで「イカ天」の名で親しまれてきた。
同社は、1961(昭和36)年にこの地でイカ天の製造業として創業。現在では、イカ天製品の市販はもちろん、県内にある多くのお好み焼き店にもイカ天や天かすを卸している。
イカ天瀬戸内れもん味
「全国に12社あるイカ天専業メーカーのうち9社が広島県にあり、尾道には5社が集中しています。その中でも弊社は後発なのですが、それなりの実績を上げるまでに成長してきました」
そう話してくれたのは、企画開発部の坂本摩理さん。同部の課長として新商品の企画開発に携わり、「イカ天瀬戸内れもん味」を生み出した人物だ。
国内随一のイカ天生産地から大ヒット商品が生まれた背景について、坂本さんは約10年前に話を戻して教えてくれた。
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