ヒット商品の舞台裏

醤油を粉末にしただけ…では誕生しなかった異色のヒット商品~料亭の粉しょうゆ(下鴨茶寮)

2015年09月14日

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ソイソルトやパウダードレッシングなど本来は液状のものを粉末状に加工した、いわゆるパウダー食品がブームだ。そんな中、京都の老舗料亭・下鴨茶寮が手がけた粉末醤油『料亭の粉しょうゆ』が話題を呼んでいる。発売から1年余りで15万袋以上を売り上げる看板商品へと成長。新しい京都土産として人気を博している。

食品メーカーではなく一軒の料亭から生まれた異色のヒット商品。その舞台裏を探るべく、料理長として開発に携わった明石尚宏さんに話を聞いた。

老舗料亭の若き料理長が、伝統の調味料に新たな価値を生み出す

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料亭の粉しょうゆ

京都の世界遺産・下鴨神社のすぐ傍に店を構える下鴨茶寮の創業は、安政3年(1856年)。和食のメッカ京都で160年の歴史を有する老舗料亭だ。本格的な京料理に独創的なアイデアをプラスした懐石料理で、地元はもちろん国内外の多くのファンから愛されている。

「当店は、伝統と時代が調和した“新しい食の創造”をモットーとしています。その一つとして開発したのが、粉末の醤油でした。粉末であれば、醤油の風味はそのままに、食材や料理の持ち味をさらに生かしながら美味しく召し上がっていただけるのではないか、と。しかし、単に醤油を粉末にするだけでは、料亭の商品として相応しくありません。そこで、一味や柚子をブレンドした新しい粉しょうゆを開発することにしました」

希少な醤油を使ったがために…。苦労したメーカー探し

『料亭の粉しょうゆ』は、フリーズドライ製法で醤油を粉末にしているが、最初からそうしようと決まっていたわけではない。

「市販のソイソルトを研究しつつ、試作を繰り返しました。きな粉に醤油を吸わせて炒ってみたりもしましたが、一番醤油らしさが出るフリーズドライの製法を取り入れました」

フリーズドライとなれば、専用の設備と工場が必要になる。もちろん、同社は設備も工場も持ち合わせていない。

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