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築地市場、豊洲移転のビフォーアフター。世界最大級の卸売市場に受け継がれるブランドの行方

2015年09月07日

築地市場、豊洲移転のビフォーアフター。世界最大級の卸売市場に受け継がれるブランドの行方

東京都内に11ヶ所ある中央卸売市場の一つ、築地市場。日本国内はもとより世界中から水産物や青果物が集積する世界最大規模の卸売市場は、日本における建値市場としての役割を果たしてきた。しかし、施設老朽化などの問題から2016年11月に豊洲へ移転することが決定。開場以来80年の長い歴史に幕を下ろそうとしている。

移転について、業界内では「築地ブランド」の消失を危惧する声や、新天地に慣れぬまま年末の最繁忙期を迎えることへの不安の声が上がっている。また、市場内の業者の中には、財政的な理由から移転を断念するケースも出ている。

では、実際に豊洲移転によって何が起こり、どんな影響があるのか?あらためて市場のビフォ―アフターを比較すると、これまで報道されてこなかった新たな一面も見えてきた。

世界最大級のマンモス市場。その歩みと現状

信頼の築地ブランドを作った卸業者

盛況な築地市場水産物売場

国内外から生鮮食料品が集まる日本最大の中央卸売市場、築地市場。1935(昭和10)年、日本橋の魚市場と京橋の青物市場が築地へ移転し、東京市中央卸売市場として開場以来80年の歴史を積み重ねてきた。

2013年度実績での年間取扱量は、水産物48万3,951トン(約480種類、4,217億2,900万円)、青果物(鳥卵・つけ物含む)30万5,943トン(約270種類、856億4,300万円)にも上り、水産物の取り扱いでは世界最大規模を誇っている。青果物においても、促成野菜や洋菜類、ハーブ類の豊富な品揃えは他に類を見ない。

2013年度の中央卸売市場取引金額

※資料:平成24年度全国中央卸売市場協会概要(H24.12月発行)

しかし、各部類の取扱量、取引金額とも減少傾向にあり、水産物の取扱量は1987年をピークに4割近く落ち込んでいる。

その要因のひとつが、築地市場自体が抱える施設面での問題だ。長い年月の中で施設が老朽化。建物の一部が破損して落下するなど、安全面での問題は深刻だ。また、過密化によって市場内外の違法駐車や周辺道路での渋滞、車両の接触事故が多発しているほか、搬入・搬出のスペースが足りず作業が非効率になっている。

さらに、カット加工・小分け配送等の付加価値サービスを提供する場所や設備が十分でないことや、開放型施設であるがゆえに直射日光、風雨、塵埃の影響を受けやすく温度管理が徹底できないなど、課題は多い。

老朽化・過密化が深刻な築地市場

老朽化・過密化が深刻な築地市場

また、少子高齢化による食料消費量の減少、インターネットの普及や大型小売店と生産者組合による市場を通さない直接取引の増加など、時代の流れとともに卸売市場を取り巻く環境の変化は築地市場でも例外ではない。

その状況を打開するためには、移転以外の選択肢も考えられた。1991年、現在地での再整備工事に着手したが、日々の営業活動に与える影響への懸念などから調整が難航し、1996年には工事を中断。都と業界で協議と検討を重ねた結果、1999年に移転整備へと意見集約されたのである。


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