食品卸売業経営ノウハウ
吉川 国之(茨城乳配株式会社) 2013年10月22日
こんにちは、茨城乳配の吉川です。
食品物流の改善を行う際に検討されることが多い共同配送ですが、実際に利用してみたものの効率化に繋がらなかったという声を耳にすることがあります。
今回は、共同配送が効果を発揮しやすいケースをいくつかお話していきたいと思います。
年に何回かある繁忙期は別として、平時のチャーター配送コースで、『積載効率が50%以下』であれば共同配送を検討する価値は高いと考えられます。
なぜなら、この積載効率では1ケースや1本など原単位あたりの物流費率が高めになってしまうことが多いからです。
例えば、トラック1台に積める製品が1000ケースと考えて1台の配送コストを30,000円とすると、1000ケース積めば1ケースあたり30円ですが、500ケースしか積まなければ、物流費は倍の60円になってしまいます。
他の製品を500ケース運んでいるトラックに混載できれば、理論上は500ケースでもケースあたり30円となり、積み替えにかかる費用などを上乗せして考えてもチャーター配送と比較して安価に配送できるからです。
一方で、積載効率が常時60%を超えているような『積載効率が高い』場合には、あえて共同配送を選択する必要はありません。
なぜなら、一定の積載効率を超えてくると、共同配送はチャーター配送より割高になることが多いからです。
この場合は、チャーター配送を軸に自分のトラックに混載できる貨物を探したり、仕入れに関わる調達業務を組み合わせることで、積載効率を上げていく手法が効果的です。
またチャーター配送にしておくことで、取引先から出される物流条件にも、柔軟に対応できます。
外食チェーンや小売店チェーンなどでは、1軒1回あたりの配送量が少なく、また同時間帯にたくさんの納品先へ配送が求められることがあります。
例えば、“ファミリーレストランAの全30店舗に8:00から10:00の間にカット野菜を納品する”といった感じです。
■物量に見合った配送方法
前述のような条件の納品を、自社便やチャーター配送で対応してしまうと、人的にも車両的にも大きな労力・投資が必要になり採算面でも良い結果は望めません。
共同配送を利用すれば、各方面別に運行している既存のルートに混載することができるので、あらたな車両や人材を必要とせずに同時間帯にたくさんの納品先に配送することが可能になります。
また、配送コストについても、配送する物量に見合った運賃、例えば1ケースあたり〇〇円という運賃体系になることから、物量に対してコストが必要以上に高くなることもありません。
■配送トラブルを防ぐためには
共同配送を、『少量・多納品先・同時間帯』という条件で活用する際には、トラブルを防ぐために下記のような事前準備をしておくと良いでしょう。
小売店・外食企業で今まで出店していない地域へ出店する場合。
また、食品製造業で今まで取引がない地域を開拓する場合など、新たな地域で営業展開を始める場合は、スタート時点での物量が少ないためにどうしても物流コストが高くなってしまうものです。
またドミナント戦略を展開していく際に、新規取引先の開拓を進めながら物流面の効率化まで考えることは簡単なことではありません。
■アウトソーシングをうまく使う
この場合の解決策としては、物流面を他社にアウトソーシングし、自社は営業活動に専念するという方法があります。
また、少量の配送にも対応できるように、初めから共同配送がメニューにある物流会社を選んでおくと、物流コストを考える上で有利になります。
営業面でも物流コストを低く抑えられる分、初めての取引先に対して常に良い納品条件を提示できるようになります。
自社便・チャーター便については、出店数や取引先が増えて物量が安定してした時に、あらためて見直していけば良いのです。
長くなりましたので今回はここまでにします。
それでは、また次回お会いしましょう。
<茨城乳配株式会社>URL:http://nyuhai.net/
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