食品卸売業経営ノウハウ
吉川 国之(茨城乳配株式会社) 2014年02月25日
こんにちは、茨城乳配の吉川です。
前回は、チャーター輸送(貸切輸送)におけるメリットを「デリケートな食材の取り扱い」を中心にお話しました。
今回も、引き続きチャーター輸送のメリットについてお話していきたいと思います。
現在の食品物流において、衛生管理は非常に大切なものになりました。HACCPやISOなどの基準に従い、高度な衛生管理を行っている企業も珍しくありません。しかし、ほとんどの場合は「製造」から「保管」の管理に重点が置かれており、車両積載後の管理は十分にできていない、というのが現状だと思います。特に共配便や路線便では、輸送の主導権が配送会社にあるため、自社製品に合った衛生管理を徹底することは事実上不可能といえます。
チャーター輸送の場合は、基本的に貸し切りで輸送しますので、運搬容器の管理、輸配送を担当するドライバーへ衛生管理や服装にも、工場や物流センターで設定されたレベルまで指導が可能です。
また例えば『先方指定の冷蔵倉庫内に納品する際、内履きを持参して履き替えて納品する』というような特殊な条件への対応も可能になります。
こんな事、と思わないでください。これはとても大切なことです。製品を入れる容器や運搬時に使用するパレット・カゴ台車などは、意外と高価なものです。しかし配送方法によっては想定以上に数を用意する必要があり、それだけでもコストアップにつながってしまいます。
また、回収が遅れると紛失のリスクも高まります。共同配送の場合、なるべく積載スペースに空きを作らないように配送していますので、納品先の空容器やパレット、カゴ台車等を一部しか回収できないことがあります。
特に店舗から物流センターや共同配送センターを経由する場合は、回収まで数日を要することも多く、紛失に備えて、余分なカゴ台車やパレットなどを確保する必要もあるのです。
チャーター輸送であれば、回収物をスムーズに返送することが可能です。また、空容器がどこに滞留しているのかを把握することも容易ですので、不要な空き容器を用意する必要はありません。
単純に配送費を比較するだけではなく、見えない経費も考えて、輸配送手段を検討していきましょう。
いかがだったでしょうか。
前編・後編に渡って、チャーター輸送のメリットについてお話しいたしましたが、それでは、『共同配送とチャーター輸送では、どっちがいいの?』という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
結論から言いますと、どちらが良いということは簡単には言えません。
私は、食品物流のあるべき姿は、ただ低価格の配送費を追及するのではなく、食の安全・安心をキチンと確保してから、コストダウンを考えるべきだと思います。
消費者は「購買」と言う形で黙って判断を下します。一度、消費者の信用を落としてしまうと、なかなか回復することはできません。
目先のコストに惑わされることがないように、常に細心の注意を払って物流を検討すること。それを実現するために、自社の特性や理念などを共有できるパートナー企業を見つけることも、大切なことだと思います。
今後の輸送を検討する際に参考にしていただければ幸いです。
それでは、また次回お会いしましょう。
<茨城乳配株式会社>URL:http://nyuhai.net/
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