企業インタビュー

創業100年-老舗菓子メーカーの決断~中島大祥堂 中島慎介社長

2013年11月12日

「Danke」ブランドの洋菓子や「吉野のくずもち」などのヒット商品で知られる大阪の老舗菓子メーカー、株式会社中島大祥堂様。創業100周年を迎えた昨年、3代目・中島慎介社長は売上げが順調なOEM製造ではなく、自社ブランド商品を強化していく方針を打ち出しています。ここ数年で、百貨店、スーパー、通販などの売り場の垣根が消え、新しい勢力図ができようとしている菓子業界。決断の裏には、モノづくりに対する熱い思いがありました。

大阪の老舗菓子屋の長男として

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-●御社の歩みをうかがえますか。
当家はもともと「尾張屋」という屋号で、長く京都・仏光寺の菓子司として菓 子の製造をしておりました。ところが、6代目・中島治郎兵衛が土地の投機に失敗して尾張屋を潰してしまい、心機一転、1912年に大阪で立ち上げたのが 「中島大祥堂」になります。中島大祥堂としては、昨年で創業100周年を迎えました。商品としては創業当時の「有平糖」という砂糖菓子にはじまり、戦後は せんべいやクッキーを焼いていたと聞いています。現在は大阪府八尾市の本社工場と兵庫県丹波市の丹波工場で、クッキー、半生タイプの焼き菓子、クレープ ロールといった洋菓子や、くずもち、黒わらび餅といった和風カップデザートなど、様々な商品を生産しています。

-●御社を代表する商品といえば、「Danke」ブランドの洋菓子と「吉野のくずもち」ですね。
業 界内では「ダンケさん」と呼ばれることも多いですからね(笑)。「Danke」とはドイツ語で“ありがとう”という意味で、先代がドイツで焼き菓子の修行 をしてきた経験を生かして、1971年に作ったブランドです。戦後、お菓子が庶民にとって身近なものとなり、“栄養補給”の役割から、“おいしさ”や“見 た目の美しさ”が求められていく中で、「代わり映えしないといけない」「日本で1つしかないものを作らないといけない」という思いをこめて作ったと聞いて います。ただ、焼き菓子というのは冬に売れて夏が暇なんです。そこで新しい需要を開拓するために開発したのが、「吉野のくずもち」です。子袋をあけて自分 で蜜やきなこをかけるという楽しみや新しさが話題になり、焼き菓子に続くヒット商品になりました。

-●中島社長は子供の頃から跡継ぎという意識がおありだったんでしょうか?
も ちろん親父(現会長で、前社長)がお菓子屋だということは小さい頃から知っていましたが、親父は長男である私に一度も「会社を継げ」と言わなかったんで す。だから、大学を卒業したら総合商社に就職して、東京で鉄板を販売していたんですよ。商社を選んだのは、「商社マンってなんかカッコイイな。モテるか な」という単純な動機でしたね(笑)。ただ、親父の体が弱いこともあって、3年ほどで退職し、1993年に中島大祥堂に入社しました。入社後は、営業から商品開発、経理、従業員の労働環境の改善など、なんでもやりました。簡単にいうと雑用係ですね。そして、2008年に社長に就任いたしました。

大きな選択を迫られた2000年。「食の安全」は企業として重要課題

-●就任後、何か印象的な出来事はありましたか。
まだ社長に就任する前のことですが、2000年に起きた大手乳業メーカーさんの食中毒事件は大きかったですね。あの事件をきっかけに、「食の安全」に対する消費者の意識が大きく変わったことはご存知のとおりです。当時の中小企業は、もちろん工場内をキレイにはしていましたが、衛生管理という概念がそれほどなかったと思います。より安全な商品を届けるために設備投資をして棘の道をいくのか、それとも家業として細々とやっていくのか・・・。あのとき多くの中小食品メーカーは選択を迫られたはずです。そして、先代と私は話しをして、前者を選ぶことにしました。

「社会貢献」という言葉を使うと大げさかもしれませんが、皆さんにおいしいお菓子を届けたい、お菓子で幸せなっていただきたいと思っているのに、細々とやっていたらその思いを届けることはできません。それに、従業員のモチベーションもあがりませんから。この件もあって2001年には当時の最新設備を投入した丹波工場を竣工し、現在は丹波工場と2010年に建てた大阪本社工場でISO9001の認証を、大阪本社工場はHACCPも導入しております。

また、設備投資だけでなく、弊社では提供する商品の品質基準として「一番大切な人に食べてもらうお菓子づくり」を掲げています。我々はメーカーなので、意外と消費者と遠いところにいます。毎日大量にお菓子が流れてくると、どうしても1つ1つの商品に対する思いが薄れてしまう。だから、大切な人に食べてもらうんだという思いをいつも忘れないようにしないといけないのです。

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