掲載日: 2015年05月14日 /提供:明治
2015/05/14
株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)は、スズメバチアミノ酸混合物の継続摂取がランナーのトレーニング効率を向上させることを確認しました。 この研究成果を、5月15日に開催される「第12回アジア栄養学会議」(会場:パシフィコ横浜)にて発表いたします。
■スズメバチアミノ酸混合物「V.A.A.M.」に関して
スズメバチは1日に100kmもの距離を飛びまわる、卓越した運動能力を備えています。この優れた運動能力を支える秘密は、成虫が幼虫にエサを与える代わりに受け取る栄養液にあります。これまで当社は、この栄養液の主要な17種類のアミノ酸混合物(スズメバチアミノ酸混合物「V.A.A.M.」)に着目し、体脂肪の代謝に関連することや、持久力の向上に効果があることを明らかにしています。
今回の研究では新たに、中距離ランナーに対するスズメバチアミノ酸混合物「V.A.A.M.」の効果の検討を目的として、ヒトにおける評価試験を実施しました。
■研究概要
2013年5月2日から7月16日までの10週間で、日常的に激しい練習を行っている15~18歳の高校生中距離ランナー10名を対象に、日々のトレーニング前とトレーニング中にスズメバチアミノ酸混合物「V.A.A.M.」を1回3gずつ摂取していただきました。
その結果、摂取開始前と継続摂取後にタイムトライアル走を行ったところ、10人中9人が自己記録を更新しました(図1)。さらに、タイムトライアル走の際に血液を採取し成分を分析したところ、乳酸代謝、酸素運搬能力、心肺機能の向上効果が示唆されました(詳細は下記)。
タイムトライアル走実施後の乳酸値を測定したところ、スズメバチアミノ酸混合物「V.A.A.M.」の摂取開始前と比較して、継続摂取後には運動直後の血中乳酸値は上昇している一方で、走行5分後の乳酸値は低下していました(図2)。この結果は、乳酸の蓄積しやすい筋肉(速筋)から、乳酸を消費しやすい筋肉(遅筋)へと血液を介して移動させることで、乳酸をエネルギー源として有効活用したことを示唆しています。このような働きは「乳酸シャトル」と呼ばれています。
スピードと瞬発力が要求される中距離走では、酸素が不要で代謝が速い糖質を筋肉でのエネルギー源として消費します。糖質が代謝されると乳酸が産生されますが、この乳酸が筋肉中に蓄積すると、筋肉の収縮が妨げられ、運動のパフォーマンスが低下してしまいます。したがって、中距離選手は乳酸を上手に処理する必要があります。
タイムトライアル走実施後の血液成分の分析結果で、スズメバチアミノ酸混合物の摂取開始前と比較して、継続摂取後には赤血球数が増加していました(図3左)。また、継続摂取後にはタイムトライアル走実施後の心拍数が減少していました(図3右)。この結果は、乳酸の代謝に必要な酸素の要求量増加に適応するとともに、心肺機能も向上したことを示唆しています。
株式会社 明治は、「食と健康」のプロフェッショナルとして、今後もスポーツニュートリション研究を鋭意推進してまいります。
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