ブームの真相

世界で注目を集める「昆虫食」は、日本の食シーンに革新をもたらすか

2018年08月06日

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「多くは、イベントなどで学校や職場で、みんなと話題にしながら食べるといった用途です。そのため、開封してすぐ食べられる素揚げや缶詰が主流で、一般の方は自ら調理するという段階までは至っていません。

もちろん興味はあっても見た目がダメという方には形の見えない粉末が良いと思いますが、一方で、食事は見た目も楽しんでほしいという思いもあります。まずは固定観念を取り払って姿形も味わっていただければと考えています。意外と美味しい、意外と抵抗ないという感想はきっと、次の昆虫食につながっていきますので」

かつては日本各地でもイナゴが食されていた。長野県の山間地域では現在でもハチノコ(クロスズメバチの幼虫やサナギ)やザザムシ(カワゲラなど水生昆虫の幼虫)、カイコのサナギなどを伝統食としているが、若い世代は知っていても食べる機会が減ってきているという。世界的な昆虫食への注目で、日本の食文化としての昆虫食にも改めて目を向けてほしいと三浦氏は語る。

「食育などを通じて、小さな頃から昆虫食に親しめば、違和感もなくなっていくのではと思います。とはいえ、日本の伝統的な食用昆虫は大量に採って保存食にしてきた背景もあり、甘辛く佃煮にするレシピがほとんどです。味のバリエーションに乏しいのは課題ですが、昆虫食がもっと広まって、日本の昆虫食にも新たな調理法が生まれることを期待しています」

ここに注意。昆虫を食材にする際、気をつけたいこと

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一見すると昆虫とは分からないパッケージ

では、実際に昆虫食を手がけたいと考えた際、どのような点が課題になるのだろうか。まず、現時点ではかなりコストがかかることがあげられる。

「本来なら低コストで手に入る昆虫ですが、今は国内で大量生産の規模で飼育している企業はないため、原料とする場合はタイなどの養殖業者から輸入する必要があります。まだ需要もさほどないため、割高になってしまうのです」

周囲に田んぼが広がっているとか、森が近いといった環境や、虫を採るのが得意という条件さえ整えば、自分で採集するという手段もとれるだろう。その場合は保健所から適切な指導を受けた上で提供する必要がある。また、その他にも注意点はある。

「どの昆虫も生食は避けた方が良いでしょう。海外のセレブが生のミルワームを食べていたり、テレビ番組の演出で生食を見せたりしていますが、昆虫によっては食中毒を起こす細菌類や、命に関わる寄生虫がいる場合もあります。衛生面からもしっかり加熱することを心がけてください。

また、昆虫は甲殻類に近いので、エビ・カニのアレルギーのある方は注意が必要です。もし少しでも心配があるのなら、控えることをおすすめします」

近い将来、昆虫が魚や肉と同様の一般的な食材となる日がやってくるのかもしれない。偏見や嫌悪感を払拭し、新たな原料として、対峙してみてはいかがだろう。

取材協力:昆虫食 TAKEO 三浦みち子


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