ブームの真相

世界で注目を集める「昆虫食」は、日本の食シーンに革新をもたらすか

2018年08月06日

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原料の20%にコオロギを含むパスタ
見た目は普通のパスタと変わらない

昆虫であれば、飼育に家畜ほど水や土地を必要としない。例えば牛肉を1キロ生産するためには8キロの飼料が必要だが、コオロギであれば2キロ程度と効率が良い。また、BSEや鳥インフルエンザといった人間に伝染する病気のリスクは低いうえ、魚や肉と比べ、たんぱく質が良質で栄養価も高い。そのため土地を持たない貧困な人々であっても起業の機会を得られるといわれている。

さらに採集も容易で養殖する設備も低資本で可能であり、昆虫自体が小さいため食材への加工もしやすいという経済的な利点もある。

FAOの提言を受け、世界では昆虫食に目を向ける動きが年々高まっている。ヨーロッパ各国では法を改正し、食用昆虫の生産と販売を許可しており、2017年にはスイスの大手スーパーマーケットチェーンがミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)を材料に使ったハンバーガーとミートボールを販売した。

フィンランドでも大手食品メーカーがコオロギの粉末を練りこんだパンを販売開始している。今年2018年にはEU全体で食用昆虫の取引が自由化された。

アメリカでもコオロギを原料とするプロテインバーが健康食品として注目を集め、製造している食品企業は急成長を遂げているという。

食文化としての昆虫食と、新たな食材としての可能性

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見た目のインパクトも手伝って
カブトムシの人気は高い

では、日本では昆虫食の動向はどのようになっているのだろうか。昆虫食をインターネットで通信販売し、東京・浅草に実店舗も構える合同会社TAKEOの店長、三浦みち子氏は、国内での昆虫食に対しても関心の高まりを実感しているという。

「当社で通信販売を開始した2014年当時は、罰ゲームなどの目的で購入されるお客様が多かったのですが、最近は興味があって食べてみたいという方が増えてきました。意外と女性のお客様の方が関心も高いようです。タイやラオスには、昆虫食がごく一般的な地域もありますし、エスニック料理の延長線として捉えられる方もいます。

カメムシは風味がパクチーに似ているので、『パクチーだと思えば抵抗ない』とおっしゃったり。男性のお客様はどちらかというと見た目のインパクトを求められる傾向があって、カブトムシなどが人気です」

興味を持つきっかけは、FAOの提言自体よりも、それを踏まえてハリウッドセレブが昆虫食を実践しているという情報だったり、テレビメディアや人気ユーチューバーが取り上げたりことにあるようだ。意外なことに形の見えない粉末にした商品よりも、姿形をとどめた商品の方が人気だという。

また昆虫食を提供する飲食店でも、形そのままで素揚げにしたり、パスタに乗せて出すといったメニューの方が多いという。将来的な食糧危機に備えた取り組みというよりは、話題性やSNS映えを求めているようだ。


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