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外食アワード2020表彰式。日本KFC・近藤氏、浜倉的商店製作所・浜倉氏ら6名受賞

2021年07月26日

外食アワード2020表彰式。日本KFC・近藤氏、浜倉的商店製作所・浜倉氏ら6名受賞

【外食事業者】
・日本KFCホールディングス株式会社 代表取締役社長(現顧問) 近藤 正樹 氏(下段中央)
・株式会社浜倉的商店製作所 代表取締役 浜倉 好宣 氏(下段左)
・株式会社ギフト 代表取締役社長 田川 翔 氏(下段右)
・株式会社ゴーストレストラン研究所 代表取締役 吉見 悠紀 氏(上段中央)
【中間流通・外食支援事業者】
・株式会社フードサプライ 代表取締役社長 竹川 敦史 氏(上段左)
・株式会社ミートエポック 代表取締役社長 跡部 美樹雄 氏(上段右)

外食産業界でその年に活躍した人や話題になった人を選ぶ「外食アワード2020」。外食産業記者会が主催し、今年で17回目となる。分野別に6名の受賞が決定し、6月30日「居酒屋JAPAN2021」の東京会場で表彰式が行われた。

2020年はコロナ禍が業界を直撃し、多くの飲食店が休業を強いられた。主催する外食産業新聞社の川端 崇嗣氏は、「苦しみながらも、頑張ることで結果を出した面々。業界に勇気を与えてくれる存在だ」と語った。外食事業者部門4名、中間流通・外食支援事業者部門2名の、合計6名の受賞者の言葉を紹介する。

食の安全・安心の取り組みで、コロナ禍でも売上向上

日本KFCホールディングス株式会社 代表取締役社長(現顧問)近藤正樹氏

日本KFCホールディングスは、緊急事態宣言下にあった昨年4~5月の既存店売上高が30%超の伸びを記録。もともとテイクアウト比率が8割近いという強みも活かし、消費者志向の変化に対応した取り組みが評価された。

近藤正樹氏は受賞を受け、「外食は社会にエネルギーを与える活力の源泉。何より日々、高い志で働いてくださるすべての方々に感謝を表明したい」とコメントした。また、以前から「食の安全・安心」を第一の条件として重視してきた点にも触れ、「産地や工場などで、全員が同じ体制で食の安全に取り組んできた」と振り返った。

もともとテイクアウト比率が8割近かったとはいえ、「2~3年前から、もっとお客様に来ていただこうと全社をあげて工夫してきた」という。「そのベースがあって、コロナ禍でも流れを維持することができたと思います。今、多くの飲食店では売上の回復率を70%ほどと見込んで、メニューの削減やコスト削減など、どちらかといえばマイナスの発想になっていると思います。そうすると、せっかくのお店のこだわりがなくなってしまいます。コスト削減だけではなく、新たな価値を作り、新しいお客様を呼び込む取り組みをするほうが、前向きになれるのではないでしょうか。

コロナ禍でも、予約の取れない人気店はたくさんあります。そのような店はお客様を大事にされていて、満足をさせて、笑顔でお帰りになられて、またきてほしいと思われるようにしています。それは外食の原点です。もちろん感染予防はしていますが、それ以前にいつも安心感をもっています。そういったお店を見習い、ともに外食業界を盛り上げていきましょう」(近藤正樹氏)

居酒屋とは、人がコミュニティを作る場所

株式会社浜倉的商店製作所 代表取締役 浜倉好宣氏

浜倉的商店製作所の浜倉好宣氏は、渋谷の大型商業施設MIYASHITA PARKにオープンした全長100mの渋谷横丁をプロデュース。コロナ禍にあって同施設は盛況で、外食が持つ本来の楽しさ、コミュニティの場としての強みを再認識させた。

「日本には昔から、お酒を介して本音のコミュニケーションをする文化があります。コロナ禍で辛抱が続きますが、個人的には居酒屋、外食文化はなくてはならないものだと実感しています。だからこそもう少しの辛抱で、ご縁をいただいた方々と一眼となって頑張りたい」(浜倉好宣氏)

浜倉氏は2009年にも、築40年のシャッター街を酒場街に再生させた恵比寿横丁の功績が評価され、外食アワードの中間流通・外食支援事業者部門を受賞している。

「今はデジタルで何でもできてしまう時代。その一方で、実際に訪れて体感するエンタメとしての飲食施設が求められています。横丁スタイルは、そうしたエンタメ性を時代に合わせてブラッシュアップしたもの。若者を中心とした渋谷の発信力は大きい。これからも次世代の感覚をつかんでいきたいですね」(浜倉氏)

「社員を守る」動画メッセージで信頼関係築く

株式会社ギフト 代表取締役社長 田川翔氏

ギフト・田川翔氏は、家系ラーメンブランド・町田商店を確立する一方、麺とスープを供給する屋号が自由なプロデューススタイルのFC展開を通じ、家系ラーメンの魅力を広げた。

「尊敬する先輩方が受賞されてきた外食アワードを、自分も受賞できて光栄です。この1年、ラーメン業界はお客様をはじめ多くのスタッフに支えていただき、売上を大きく落とすことなく続けてこられました。ありがとうございます」(田川翔氏)

コロナ禍でも売上が好調だった理由については、「当社はロードサイド店が多く、密になりづらいという強みがありました。ラーメン店はどちらかというとファストフードに近いと認識され、気軽にご利用いただけたのではと思います」と分析。自社のラーメンが日常食として浸透していることが自信につながった。 

ラーメン店の中ではいち早くUberEatsなどのデリバリーにも対応。昨年3月にはほぼ全店でUberEatsを開始し、緊急事態宣言下の売上を支えたという。今期(21年10月期)の採用は過去最多人数を計画し、外食業界そのものへの貢献意識も高い。

「スタッフは、非常時の会社の姿勢を見ています。昨年、緊急事態宣言が発令された際、『どれだけ感染症がまん延しても、誰一人解雇しない。全員守る』というメッセージを動画で公開しました。その上で、できるかぎり多くのお客様に美味しいラーメンを届けられるよう協力してほしいと。結果的に、スタッフが一丸となって緊急事態を乗り越えてくれたと思います。もちろん、誰一人解雇しないというのは業績あってのことですから、これからも健全な財務バランスを維持しつつ、適正な成長をしていきたいと思います」(田川翔氏)

ゴーストレストランで、外食産業の生産性を上げたい

株式会社ゴーストレストラン研究所 代表取締役 吉見悠紀氏

ゴーストレストラン研究所の創業は2019年。実店舗を持たないゴーストレストランの先駆けとなり、コロナ禍で抜きんでた売上実績を残した。実態が見えないと懸念されることもあるゴーストレストランだが、調理工程が見えやすいオープンなキッチン造りなどイメージ向上にも努める。代表の吉見悠紀氏は「食のデジタルマーケティング企業」として、ITやマーケティングの視点から新たな可能性を示した。

「新しい取り組みを評価していただき、感謝しています。当社は2019年に創業し、コロナ禍で注目された部分もあると思いますが、収束後も、外食産業の発展に貢献するサービスを作っていきたいと思います」(吉見悠紀氏)

デリバリー市場の規模は、まだまだ伸びると予想する。「テクノロジーが進化することで、市場は今後、少なくとも2倍程度までは拡大するでしょう。アメリカや中国では、コロナ禍が落ち着いたエリアでも実績が伸びているというレポートもあります」。

ゴーストレストランは飲食店と対比されるものではなく、「どちらかというと、飲食店の売上を補完する機能」だと考えている。「今後の飲食店は、デリバリーとECが売上の新たな軸になっていくでしょう。両者をやらなければ、効率化の競争に勝てなくなっていくかもしれません。デリバリーは、やる・やらないというよりも、単純に売上を増やす1つの引き出しとして持っていただくことが大切だと思います。僕たちは、ゴーストレストランのパッケージ提供も行っています。当社のマーケティング技術をシェアすることで、外食産業全体の生産性向上に関わっていけたらと思います」

ゴーストレストランは複合型キッチンをもつ特性上、ノウハウを多くの飲食店が共有しやすい。「そこで発生したデリバリーの売上をどう再投資するかは、個々の飲食店の自由。店舗開発に使ってもいいし、従業員の賃金に反映させてもいいですよね。ゴーストレストランの利益がどんどん再投資され、外食産業全体に良い循環をもたらすことができればと考えています」(吉見氏)

ドライブスルーで外食の新たなビジネスモデルを確立

株式会社フードサプライ 代表取締役社長 竹川敦史氏

中間流通・外食支援事業者部門を受賞した1人目は、フードサプライの竹川敦史氏。2020年4月に緊急事態宣言が発令された際、行き場をなくした業務用の野菜を「ドライブスルー八百屋」にて一般販売。水産卸の他社がドライブスルー魚屋をするなど、「ドライブスルー○○」は全国的なブームとなり、最大で30ヵ所、のべ6万人以上が来場した。BtoBとBtoCの流通の壁に風穴を開け、生産者支援だけでなく業務用食品卸の新たな販売チャネルを確立した。

「当初は生産者支援という形で始めたドライブスルー八百屋ですが、当社も昨年は売上が突然8割マイナスとなり、危機的な状況でした。その状況を、新しいアイデアで乗り越えられたと思います。現在も非常に危機的な状況が続いていますが、外食産業さん、同業者さんとのコラボなど、創意工夫をして乗り切りたい。皆様のご支援をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」(竹川敦史氏)

菌との向き合い方を変えれば、食の世界が変わる

株式会社ミートエポック 代表取締役社長 跡部 美樹雄氏

ミートエポックの跡部 美樹雄氏は、2012年、東京・六本木に出店した熟成肉専門店「旬熟成」がきっかけとなり、熟成に必要な発酵菌の研究に着手。より安全でかつ迅速な発酵熟成肉を製造できる日本初の『エイジングシート』を2017年に実用化し、安全な発酵熟成食品の提供に寄与した。

「私は10年間、寿司、割烹の板前として従事した後、飲食店を営んできました。その中で熟成肉という食材に出会い、食材ではない菌に目を向けたことがきっかけとなり、エイジングシートの開発に至りました。板前だった頃の自分には、バイオの力で食材を長持ちさせる視点はありませんでしたが、このように科学の力で食の世界を変えられる、フードテックの可能性に大きな魅力を感じています。

食材をだめにするのは菌や酸化ですが、止めることができるのも菌です。菌との向き合い方を見直してしっかり活用すれば、安全で美味しい食品が生産できます。さらに長期保存が可能になり、食品ロスの解決にもつながるという可能性を、ぜひ皆さんも知っていただきたいと思います」(跡部 美樹雄氏)

外食産業にとっては厳しい状況が続くが、受賞した面々のように、デジタル化やフードテック、デリバリーなど新たな光も見えている。工夫と努力で、コロナ禍を乗り越えたい。


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