食の研究所

愛知県民の野菜不足、原因に「朝食説」あり~調査が物語る朝食と健康の県民性~

漆原 次郎(フリーランス記者)  2020年02月26日

愛知県が最も低いという結果について、コメント者の矢野新一氏(県民性研究者)は、「まず外食が多いことが関係しているのではないか」とした上で、「名古屋めし」の影響で野菜が少なくなることとともに、次のように「モーニング」の存在の影響に言及している。

「愛知県には喫茶店での独特な朝食文化『モーニング』があります。『モーニング』の基本的なメニューはトーストとゆで卵になり、それが朝食の品目数の少なさ、ひいては野菜不足の一因となっているのかもしれません」

ただし、インターネットで「愛知県 モーニング」と入れて画像検索してみると、プレートや皿に盛られたサラダが含まれる写真が少なくない。上位100画像を数えてみたところ、サラダが含まれる率は65%ほどだった。

もし、注文して出てきたモーニングが、トーストとゆで卵とコーヒーだけだったら、サラダを追加注文するほうが栄養バランスがよくなるのは確実だ。

「毎日朝食」で「世界一の健康長寿」目指す県も

朝食に限った話ではないが、各都道府県は「食育推進計画」という、食育の推進に関する施策についての計画を立てている。2005年に制定された「食育基本法」という法律に基づいたものだ。

こうした施策にも、都道府県ごとの特色があるだろうかと、基本方針の一覧を見てみてみたが、どこも「食育の推進」といったごく当然の文言が並んでいる*5

だが、その中で気になる目標を基本方針として掲げている県があった。

長野県は、「世界一の健康長寿を目指す食育」を基本方針のひとつにしているのだ。計画には何をもって「世界一の健康長寿」とするかまでは書かれていないが、他の都道府県よりも住民に分かりやすい表現で基本方針を掲げているとはいえる。朝食についても「幼児期から、毎日朝食を食べることを始めとして、基本的な生活習慣を身に付けます」という「県民の目指すべき姿」が盛り込まれている。

他との比較で「自分の朝食」を見つめなおす

「朝食」への向き合い方について、やはり地域的な傾向や、都道府県ごとの特徴が見てとれた。

自分の習慣になっていることは、「多くの人もやっている」と考えてしまいがちだ。同じく、県民性になっていることも、「全国でもそうなっている」と当てはめてしまいがちなもの。だが、一概にそうといえないことを、数々のデータは物語っている。

「他県と比べて自分のところの朝食はどうか」、さらに「全国平均と比べて自分の朝食はどうか」と見てみるだけでも、「自分の朝食」を見つめなおす機会になろう。

*1:https://mediplus-lab.jp/contents/detail/2492/
*2:https://www.satofull.jp/static/special/research_rice.php
*3:https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/kekka.html
*4:https://www.kagome.co.jp/statement/syokuiku/knowledge/research/research06/
*5:https://www.nibiohn.go.jp/eiken/pref-shokuiku/


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執筆者プロフィール

漆原 次郎(フリーランス記者) 

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。

<記事提供:食の研究所
JBpress、現代ビジネス、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインの4つのビジネスサイトが共同運営する「食」の専門ページ。栄養士が勧める身体にいい食べ方、誰でも知っている定番料理の意外な起源、身近な食品の豆知識、食の安全に関する最新情報など硬軟幅広い情報を提供。
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