飲食業界なう

飲食業の経営に関わる高額な費用を共同利用で解決。シェアキッチンという選択肢

2020年01月15日

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料理人が独立して店舗を運営する際、高いハードルとなるのが家賃や設備費などの高い運営コストだ。さらに、人材採用の難しさや集客方法の行き詰まりなど、経営上の課題は尽きない。

それらのハードルを下げる手段として「シェアキッチン」という仕組みがある。施設、厨房や備品、スタッフを複数の事業主で共有して運営コストを下げ、利益率を高めることが可能だ。また出店者同士がつながり切磋琢磨することで調理スキルが高まるなど、新たな相乗効果も期待できる。今後の飲食店経営の新たな選択肢をさぐった。

シェアリングで初期費用、運営コストを下げる

飲食業の出店にかかる初期費用は、物件取得や内装工事、厨房設備など、数百万から1000万円以上といわれる。一方で、飲食業は他業種に比べ廃業率が高く、オープンから2年以内に半数近くが閉店するともいわれる。新規出店には相当なリスクが伴うのだ。

店舗オープン後も経営課題は尽きない。家賃や光熱費といった固定費に、高騰する人件費や食材原価。宣伝費などの経費をあわせて売上から引くと、利益率が5%前後という状態は、決して珍しくない。どんなにおいしい料理を提供していても、人材確保や集客に不安要素があると、経営の足かせになってしまう。

そんな従来型の店舗運営の視点を変え、リスクを下げた出店方法がコストをシェア(共有)する考え方、『シェアキッチン』だ。

ITの発展、スマートフォンの普及などを背景に世界的に急成長しているシェアリングエコノミー。モノやサービス、スキル、場所などを、複数の利用者でシェアする仕組みだ。シェアハウスや民泊、カーシェアリングなど、様々なサービスが登場している。

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飲食業界でなじみがあるのは、「Uber Eats」をはじめとするフードデリバリーサービスだろう。既存の店舗や厨房をある時間帯だけ間借りして営業するような、シェア型のビジネスモデルもある。

シェアキッチンも、飲食業を取り巻くシェアビジネスのひとつで、店舗の施設全体、非稼働時間の厨房設備、または店舗のない厨房設備や機器を複数人で時間を分けて共有する運営形態。間借り、シェアレストラン、クラウドキッチンと呼ぶ場合もある。

お隣さんは商売敵ではなく仲間。シェア経営のメリット

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株式会社アスラボ 横丁事業部 藤田勝氏

実際にこのシェアキッチンと横丁ビジネスを組み合わせ全国展開している会社もある。株式会社アスラボは不動産投資をコアビジネスとする会社として2010年に設立。 

地方の地域活性化事業などに取り組む中で、ただテナントを募集しても飲食店は集まらないと気づいたという。

横丁事業部の藤田勝氏は、シェアキッチンを「コストを下げるだけでなく、経営ノウハウや調理スキルも共有し、出店者みんなでお客様をおもてなしする仕組み」と語る。

アスラボ管理画面

オレンジ塗りのスペースが共同部分

これは従来の横丁やフードコートといった、ひとつの場所にいくつもの店舗が集まるビジネスモデルの進化型ともいえる。

初期費用で最低限必要なのは出店権利金の20万円。 店舗の内装や厨房設備はあらかじめ用意されているものを利用するため、設備購入費や工事費はかからない。ホールスタッフもシェアするため人件費が削減でき、大型食洗機ですべての店舗の食器をまとめて洗うなど、効率化も図れる。

従来の新規出店でネックになっていた初期費用の高さを取り除くため、内装や必要な設備を用意し、共通化できる要素は共有するシェアリングモデルが生まれた。北は北海道、南は鹿児島まで全国5ヶ所で横丁を運営し、10ヶ所以上で新規計画が進んでいる。2020年夏には東京にも進出する予定だ(2019年12月現在)。


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