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2020年外食市場の動向~新規上場企業から課題解決策をさぐる

2020年01月07日

2019年7月度に実施した外食産業市場規模調査によると、1人当たり外食支出額はわずかに減少したが、訪日外国人の増加、法人交際費の増加などにより、前年比0.3%増加。市場規模は25兆7,692億円の微増と推計されている。(出典:外食産業市場規模調査、一般社団法人日本フードサービス協会)。

しかし外食産業に詳しい船井総合研究所の二杉明宏氏(以下二杉氏)は、その実態に縮小の傾向が見えると読む。今回は同氏に2019年の上場企業の動向から外食市場を総括していただき、同時に2020年の外食市場の展望と新規上場予測をする。

2019年の上場は3社。老舗2社に新興企業1社

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2019年までの外食企業の上場社数推移

2019年の上場企業予測では、上場する企業数が少ないという傾向は今後も続く、とみていた。実際に2019年に上場した企業は、創業71年のステーキのあさくま、創業52年の中華の浜木綿という老舗企業に、起業8年のダンダダン酒場を経営するNATTY SWANKYの3社にとどまった。上場の理由は様々あるだろうが、以下のような理由が考えられる。

株式会社船井総合研究所
フード支援部 部長
上席コンサルタント
二杉 明宏 氏

「オーナー企業が上場する場合には、経営管理を1人に依存するのではなく財務の観点、営業の観点、様々な目線で企業統治をする必要があります。長らくオーナー経営者のリーダーシップで経営をしてきたものの、事業承継を考えたときに次の時代の企業統治のあり方を整える必要があり、そのために上場という選択に向かうこともあるでしょう。

また、NATTY SWANKYさんの場合は、ヒットコンセプトを作り、上場によって資金を調達し素早く拡大させることによって、後発の模倣・追随を寄せ付けず、スピーディーに1番になろうという趣旨ではないでしょうか。串カツ田中さんと似ているように感じます」

NATTY SWANKYは「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」の単一ブランドを関東圏中心に展開している。2014年に10店舗を達成して以降、年10店舗ずつ増やしてきたが、上場以降はさらに出店速度を早めている。

■外食事業を展開する上場企業

■上場:東1=東証1部/東2=東証2部/東M=東証マザーズ/JS=ジャスダック/名2=名証2部/名セ=名証セントレックス/福証=福岡証券取引所

上場年月会社名市場売上高主な展開ブランド
2019年10月 浜木綿(はまゆう) JS 52億円(2019年7月期) 「中国料理 浜木綿」
2019年6月 あさくま JS 94億円(2019年4月期) 「ステーキのあさくま」
2019年3月 NATTY SWANKY 東M 39億円(2019年6月期) 「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」
2018年10月 ギフト 東M 90億円(2019年10月期) 「横浜家系ラーメン」
2017年12月 一家ダイニングプロジェクト 東M 70億円(2019年3月期) 「こだわりもん一家」
「博多劇場」
2017年3月 スシローグローバルホールディングス 東1 1,990億円(2019年9月期) 「スシロー」
2017年3月 力の源ホールディングス 東1 274億円(2019年3月期) 「一風堂」
2017年2月 ユナイテッド&コレクティブ 東M 66億円(2019年2月期) 「てけてけ」
「the 3rd Burger」
2016年9月 串カツ田中ホールディングス 東M 76億円(2018年11月期) 「串カツ田中」
2016年6月 コメダホールディングス 東1 303億円(2019年2月期) 「珈琲所 コメダ珈琲店」
2015年10月 バルニバービ 東M 115億円(2019年7月期) 「ガーブ」
2015年4月 海帆 東M 49億円(2019年3月期) 「昭和食堂」「えびすや」
2015年3月 ゼネラル・オイスター 東M 37億円(2019年3月期) 「ガンボ&オイスターバー」
2015年3月 エスエルディー JS 43億円(2019年3月期) 「kawara CAFE&DINING」
2014年12月 SFPホールディングス 東2 377億円(2019年2月期) 「磯丸水産」「鳥良」
2014年12月 ヨシックス 東1 179億円(2019年3月期) 「ニパチ」「や台ずし」
2014年10月 すかいらーくホールディングス 東1 3,663億円(2018年12月期) 「ガスト」「バーミヤン」
2014年9月 ホットランド 東1 324億円(2018年12月期) 「築地銀だこ」「銀のあん」
2014年7月 鳥貴族 東1 358億円(2019年7月期) 「鳥貴族」
2012年12月 チムニー 東1 456億円(2019年3月期) 「はなの舞」
「さかなや道場」
2012年9月 エー・ピーカンパニー 東1 245億円(2019年3月期) 「塚田農場」
「四十八漁場」
2011年6月 イートアンド 東1 291億円(2019年3月期) 「大阪王将」
2008年3月 物語コーポレーション 東1 589億円(2019年6月期) 「焼肉きんぐ」
2007年11月 ブロンコビリー 東1 235億円(2018年12月期) 「ブロンコビリー」
2007年10月 ドトール・日レスホールディングス 東1 1,292億円(2019年2月期) 「ドトール」「星乃珈琲店」
2007年8月 アークランドサービスホールディングス 東1 243億円(2018年12月期) 「かつや」「からやま」
2007年7月 きちりホールディングス 東1 92億円(2018年6月期) 「KICHIRI」
2007年4月 ホリイフードサービス JS 66億円(2019年3月期) 「忍家」
2007年3月 DDホールディングス 東1 509億円(2019年2月期) 「九州熱中屋」
「わらやき屋」
2007年3月 銚子丸 JS 193億円(2019年5月期) 「すし銚子丸」
2007年1月 JFLAホールディングス JS 643億円(2019年3月期) 「牛角」「おだいどこ」
2006年12月 ダスキン 東1 1,586億円(2019年3月期) 「ミスタードーナツ」
2006年12月 東京一番フーズ 東1 46億円(2019年9月期) 「とらふぐ亭」
2006年12月 WDI JS 297億円(2019年3月期) 「カプリチョーザ」
「巨牛荘」
2006年12月 ライフフーズ JS 131億円(2019年3月期) 「ザめしや」「街かど屋」
2006年12月 JBイレブン 名2 72億円(2019年3月期) 「一刻魁堂」
2006年11月 ジェイグループホールディングス 東M 149億円(2019年2月期) 「芋蔵」
「ほっこり」
2006年10月 ゼットン 名セ 150億円(2019年2月期) 「Aloha Table」
2006年9月 ペッパーフードサービス 東1 635億円(2018年12月期) 「いきなり!ステーキ」
2006年4月 ハブ 東1 115億円(2019年2月期) 「HUB」
2006年2月 トリドールホールディングス 東1 1,450億円(2019年3月期) 「丸亀製麺」「とりどーる」
2006年2月 丸千代山岡家 JS 128億円(2019年1月期) 「ラーメン山岡家」
2006年1月 サンマルクホールディングス 東1 700億円(2019年3月期) 「サンマルクカフェ」
2005年9月 クリエイト・レストランツ・ホールディングス 東1 1,192億円(2019年2月期) 「かごの屋」「しゃぶ菜」
2005年6月 関門海 東2 45億円(2019年3月期) 「玄品」
2005年4月 フジタコーポレーション JS 42億円(2019年3月期) 「ミスタードーナツ」のFC
2005年2月 ワイエスフード JS 16億円(2019年3月期) 「山小屋」「ばさらか」
2004年7月 東和フードサービス JS 113億円(2019年4月期) 「椿屋珈琲」
「ダッキーダック」
2004年3月 ワイズテーブルコーポレーション 東2 137億円(2019年2月期) 「XEX」
2004年3月 フライングガーデン JS 73億円(2019年3月期) 「フライングガーデン」
2003年12月 カルラ JS 76億円(2019年2月期) 「まるまつ」
2003年3月 ひらまつ 東1 109億円(2019年3月期) 「レストランひらまつ」
2003年3月 三光マーケティングフーズ 東2 107億円(2019年6月期) 「金の蔵」「月の雫」
2002年12月 あみやき亭 東1 321億円(2019年3月期) 「あみやき亭」
2002年12月 テンポスホールディングス JS 301億円(2019年4月期) 「ステーキのあさくま」
2002年12月 フジオフードシステム 東1 361億円(2018年12月期) 「まいどおおきに食堂」
2002年4月 ピエトロ 東1 96億円(2019年3月期) 「ピエトロ」
2001年8月 大戸屋ホールディングス JS 257億円(2019年3月期) 「大戸屋」
2001年7月 日本マクドナルドホールディングス JS 2,722億円(2018年12月期) 「マクドナルド」
2001年5月 くら寿司 東1 1,361億円(2019年10月期) 「くら寿司」
2001年4月 ジー・テイスト JS 247億円(2019年3月期) 「とりあえず吾平」
「村さ来」
2000年12月 魚喜 東2 125億円(2019年2月期) 「回転寿司魚喜」
2000年10月 ダイナックホールディングス 東2 360億円(2018年12月期) 「響」「魚盛」
「鳥どり」
2000年2月 壱番屋 東1 502億円(2019年2月期) 「CoCo壱番屋」
1999年12月 グローバルダイニング 東2 99億円(2018年12月期) 「ラ・ボエム」
「権八」
1999年11月 うかい JS 139億円(2019年3月期) 「うかい亭」
1999年10月 コロワイド 東1 2,443億円(2019年3月期) 「甘太郎」
1999年9月 ハイデイ日高 東1 418億円(2019年2月期) 「中華食堂 日高屋」
1999年4月 梅の花 東2 194億円(2019年4月期) 「梅の花」
1998年6月 かんなん丸 JS 35億円(2019年6月期) 「庄や」
「日本海庄や」のFC
1998年4月 サイゼリヤ 東1 1565億円(2019年8月期) 「サイゼリヤ」
1997年9月 幸楽苑ホールディングス 東1 412億円(2019年3月期) 「幸楽苑」
1997年9月 安楽亭 東2 163億円(2019年3月期) 「安楽亭」「七輪房」
1997年8月 ゼンショーホールディングス 東1 6076億円(2019年3月期) 「すき家」「ココス」
1997年6月 柿安本店 東1 443億円(2019年2月期) 「三尺三寸箸」
「柿安」
1996年11月 マルシェ 東1 85億円(2019年3月期) 「酔虎伝」
「八剣伝」
1996年10月 ワタミ 東1 964億円(2019年3月期) 「ミライザカ」
「三代目鳥メロ」
1994年12月 カッパ・クリエイト 東1 787億円(2019年3月期) 「かっぱ寿司」
1994年11月 アトム 東2 532億円(2019年3月期) 「ステーキ宮」
1994年7月 大庄 東1 610億円(2019年8月期) 「庄や」「やるき茶屋」
1994年6月 小僧寿し JS 54億円(2018年12月期) 「小僧寿し」
1993年7月 プレナス 東1 1539億円(2019年2月期) 「ほっともっと」
「やよい軒」
1993年7月 ココスジャパン JS 574億円(2019年3月期) 「ココス」
1993年7月 ハチバン JS 82億円(2019年3月期) 「8番らーめん」
1993年6月 ジョイフル 福証 728億円(2019年6月) 「ジョイフル」
1993年3月 王将フードサービス 東1 816億円(2019年3月期) 「餃子の王将」
1991年9月 サガミホールディングス 東1 266億円(2019年3月期) 「和食麺処 サガミ」
1991年8月 元気寿司 東1 420億円(2019年3月期) 「元気寿司」「魚べい」
1990年10月 松屋フーズホールディングス 東1 981億円(2019年3月期) 「松屋」「松のや」
1990年8月 日本KFCホールディングス 東2 743億円(2019年3月期) 「ケンタッキーフライドチキン」
1990年1月 吉野家ホールディングス 東1 2023億円(2019年2月期) 「吉野家」
「はなまるうどん」
1989年11月 グルメ杵屋 東1 410億円(2019年3月期) 「杵屋」「そじ坊」
1989年11月 銀座ルノアール JS 79億円(2019年3月期) 「喫茶室ルノアール」
1987年12月 B-Rサーティワンアイスクリーム JS 200億円(2018年12月期) 「サーティワンアイスクリーム」
1987年11月 木曽路 東1 450億円(2019年3月期) 「木曽路」「素材屋」
1986年11月 テンアライド 東1 154億円(2019年3月期) 「天狗」「テング酒場」
1986年11月 フレンドリー 東2 68億円(2019年3月期) 「フレンドリー」
「源ぺい」
1985年11月 モスフードサービス 東1 662億円(2019年3月期) 「モスバーガー」
1985年10月 リンガーハット 東1 469億円(2019年2月期) 「リンガーハット」
「浜かつ」
1984年3月 SRSホールディングス 東1 445億円(2019年3月期) 「和食さと」「さん天」
1978年10月 東天紅 東1 69億円(2019年2月期) 「東天紅」
1978年8月 ロイヤルホールディングス 東1 1,377億円(2018年12月期) 「ロイヤルホスト」
「てんや」
1963年6月 ヴィア・ホールディングス 東1 267億円(2019年3月期) 「備長扇屋」「パステル」
1963年6月 精養軒 JS 34億円(2019年1月期) 「上野精養軒」

※2016年に作成した情報を元に、各企業のHPやプレスリリースを参照し、編集部で追加
※市場、上場年月、売上高は四季報、各社ニュースリリースより

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