企業のIT活用術

直営・FCの多店舗展開をIT化で加速。牛カツ首位『京都勝牛』と次のブランドで、外食業界に新風を吹き込む~ゴリップ

2019年10月09日

直営・FCの多店舗展開をIT化で加速。牛カツ首位『京都勝牛』と次のブランドで、外食業界に新風を吹き込む~ゴリップ

牛カツ専門店「京都勝牛」や「ニックストック」などの肉業態を展開する株式会社ゴリップ。2005年の創業から14年余りで店舗数はFC店を含め130に迫り、海外5カ国にも進出しています。

単一業態からマルチブランド化への転換で、急増した発注業務、原価管理、アレルギーの情報管理をシステム化。従業員教育にもITを取り入れています。労務環境の向上で次なる展開、IPO(新規上場)も見えてきました。

「牛カツ」の食文化を提案し、人々にパワーを届けたい

【Q】牛カツ専門店『京都勝牛』など、肉業態の繁盛店を展開されていますね。

株式会社ゴリップ 代表取締役社長 原 信吾 氏

代表取締役社長 原 信吾 氏

サムギョプサル専門店『ベジテジや』からはじまり、現在6ブランドを展開しています。外食のブランドは時流にあわせたスクラップ&ビルドが一般的ですが、生み出した以上は育てていきたくて。

現在は『京都勝牛』をメインに、熟成牛ステーキ専門店『ゴッチーズビーフ』、肉が旨いカフェ『ニックストック』なども業態転換でチェンジ&ビルドしています。(代表取締役社長 原信吾氏。以下、原社長)

「牛カツ」はゴリップが生んだ新しい和食スタイルで、関西方面に昔からある洋食のビフカツ(ビーフカツレツ)とは別物です。薄衣をまとわせた牛肉にさっと火を通し、ミディアムレアに仕上げてわさび醤油で食べます。この新たな食文化を、日常的なものとして浸透させたいんです。認知を高めるため、路面店だけでなく商業施設やフードコートなどさまざまな立地に出店しています。(取締役副社長洪大記氏。以下、洪副社長)

【Q】『京都勝牛』は2014年のブランド立ち上げから5年で70店舗を超え、海外への出店ペースも加速しています。

株式会社ゴリップ『牛カツ 京都勝牛』の牛カツ膳

関西は串カツで牛肉を食べる食習慣がありますが、関東ではとんかつ文化が根強く、当初はお客様の認知に苦労しました。

それでも次第に牛カツがひとつの食のコンテンツとして認められてきた手ごたえがあります。飲食店の検索サイトでも、牛カツを出す店は今や全国に3000軒以上。おかげさまで『京都勝牛』はそのトップを保っています。 

店舗数が多ければスケールメリットを活かせますが、短期間での大量出店はオペレーションや人材教育が追いつかないと失敗するリスクもあります。バランスを見ながら出店していく予定です。(原社長)

【Q】フランチャイズチェーン(FC)展開にも力を入れています。

株式会社ゴリップ 取締役副社長 洪 大記 氏

取締役副社長 洪 大記 氏

FCではやみくもに店舗数を増やすのではなく、理念を共有してくださるオーナー様とパートナーシップを結んでいます。FC店舗は今のところ全体の2割程度ですが、外食での最適な比率は5:5だと思っています。本部・直営店とFC店舗が拮抗すれば、お互いに切磋琢磨できるからです。(原社長)

展開を強化させていくため、FC開発の専門部署も置きました。FC事業をはじめたのは2011年ですが、本格的な取組みは2016年に『BtoBプラットフォーム 受発注』のオプション『FC管理機能』を導入してからです。加速する多店舗展開にシステム化はマストでした。(洪副社長)

FL管理でITを導入。スタッフの余裕がよいサービスを生み出す

【Q】『BtoBプラットフォーム』導入のきっかけを教えてください。

設立から10年経ち、サムギョプサル専門店の単一業態から、本格的なマルチブランド化へ舵を切ったタイミングにシステムを導入しました。『ゴッチーズビーフ』や『京都勝牛』が生まれ、アイテム数が爆発的に増えていた頃です。

当時使っていた発注システムは、使い勝手がよいとはいえない仕組みでした。アイテムが増えるたびに本部の担当者がエクセルでマスタファイルを作り、システム会社とひたすらやりとりする必要があったのです。

株式会社ゴリップ『牛カツ 京都勝牛』店舗内観

現場はFAXでの発注に比べれば効率がいいものの、多店舗展開を進める中で本部に負荷がかかりすぎる状況でした。そこで、いくつかシステムを比較検討した結果、『BtoBプラットフォーム 受発注』を選びました。 

決め手はいくつかありますが、一番は他社のシステムとのデータ連携で汎用性が高いことです。FC管理や発注業務だけでなく、その先の食材や取引先ごとの原価管理、請求業務、レシピの管理といった展開が期待できました。また、仕入先の約8割がすでに導入済みだったことも理由にあります。先方に新たな負担をかけることなく切り替えることができました。(取締役管理本部長 田中大督氏)

【Q】導入で、どのような効果がありましたか?

アイテムの登録は仕入先が行い、本部は承認するだけなので、終わりのないエクセルのやりとりが不要になりました。今はPOSレジ、売上管理システムと連携させて、毎日のおよそのフードコストを算出しています。

また、勤怠システムともつながっているので、概算のFLコストが日次で把握できます。『メニュー管理機能』でメニュー1品ごとの理論原価を仕入れ価格のデータと紐付け、各店舗で実原価とのブレが生じてないか、チェックしてもらっています。

最近、全店舗に2台ずつタブレットを導入しました。これまでは検品は手書きでメモしてからノートパソコンに入力していたのですが、システムがタブレット操作に対応しているので、その場で作業できます。発注も棚の状態を見ながら行えるようになりました。(洪副社長)

株式会社ゴリップ『牛カツ 京都勝牛』で使われる食肉の部位

現在は、店舗運営を効率化するさまざまなITサービスが登場しています。導入する際の弊社の判断基準は、それが店の都合ではなく、お客様のためになるかどうかです。

たとえばレジ締めやバックヤードの効率化で余裕が生まれることで、お客様へより良い接客ができる。となれば、ある程度コストをかけてでも使えばいいと思うのです。

ですから、個人的にはタッチパネルのオーダーは好きではありませんね。ピンポンと鳴らすテーブルチャイムも、見かけると全部はずしたくなっちゃう(笑)。呼ばれる前に気づくべきなんです。サービス業は、最後は人でしかありません。すべて、自分のやっていることがお客様につながっているかが大切です。(原社長)


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