企業インタビュー
2019年05月07日
「角ハイボール50円」という、驚くべき低価格で若者から支持されている店がある。「居酒屋それゆけ鶏ヤロー」(以下鶏ヤロー)。2009年に創業し、現在は首都圏を中心に20店舗以上を構えている。運営するのは、株式会社遊ダイニングプロジェクト。
「若者の酒離れを防ぐ」をモットーに掲げ、10年かけて現在のスタイルを確立させた。その成功の秘訣を経営者の和田成司氏に聞いた。
鶏ヤローのドリンクは、とにかく安い。「ハイボール50円」を筆頭に、サワー・カクテル・焼酎など全品99円。飲み放題プランは3時間で2,000円。客は平均5~7杯を注文し、一般的な居酒屋の約2倍にのぼる。
「お客さんはみんな、うちの店を『あのハイボールの店』って言うんですよ」
「ハイボール50円」のキラーメニューが印象に残れば、「屋号なんてどうでもいい」とさえ言い切る。確かに安いが、他のメニューを高く設定してバランスを取っているかといえば、そうでもない。
株式会社遊ダイニングプロジェクト
代表取締役 和田成司 氏
同店では、客単価を「2,000円」に設定している。当初出店した学生街で、客単価を2,000円に抑えると集客力が一気に上がることに気がついたからだ。
「お客さんは会計をすませたあと、なんとなく高かった、安かった、美味しかったという印象を覚えているんですよ。で、『なんとなく安くて美味しかったから』という理由でリピーターになる。その曖昧な感覚を左右するのが、客単価2,000円という数字です」
3,000円でも、2,500円でもない。低価格をうたう居酒屋で2,500円以上を支払うと、人は無意識に「高い」と感じるという。
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